フリーダムな声優・杉田智和のルーツ 運命を好転させた2人のキャラ
鋭いツッコミ役から天然すぎるボケ役まで、あらゆるキャラクターを生き生きと演じる声優の杉田智和さん。どこからどこまでがアドリブかわからない、その巧みさからフリーダムな演技力は声優界でもトップクラスです。
デビューから「スパロボ」シリーズに出演を果たす
10月11日は声優の杉田智和さんのお誕生日。おめでとうございます! 杉田さんはお寺の住職、家庭科の先生や製菓職人、デザイナーになりたいなど、子供の頃から多彩な夢を持っていたそうです。しかし、高校時代に学校行事で舞台脚本を書き、それに音入れをしたところ、お兄さんから「声や喋りを生かした仕事についてみたらどうか?」と言われ、声優を目指すことになりました。
そして、声優養成所のオーディションを受けますが、最初は不合格だったそうです。その後、今度は印象を強くするために漫才調で自己紹介をしたところ、それが成功して見事に合格しました。この一連のエピソードを知ると、現在の「フリーダム」と言われる杉田さんの片りんが見えてきますね。
声優としてのデビュー作は1998年に、『アニガメパラダイス』内で放送されていたラジオドラマ版『魔装機神サイバスター』のシンジ・キリハラで、この時はまだ高校3年生。後に予備校生時代の1999年に今度はテレビアニメ版『魔装機神サイバスター』の南光次で、アニメ作品の初レギュラーを獲得しました。
デビュー時から『スーパーロボット大戦シリーズ』と縁があった杉田さんですが、本家であるゲームでも2000年に発売された『スーパーロボット大戦α』でブルックリン・ラックフィールドを演じ、それ以降のシリーズでもアニメから参戦しているキャラを何人か演じた他、敵側の名前もない一般兵まで演じています。それほど貢献している杉田さんですから、30周年記念で2021年発売予定の『スーパーロボット大戦30』のメモリアル男主人公のエッジ・セインクラウスを演じるのは当然のことかもしれません。
その才能はデビュー直後から発揮されます。大学在学中にも『妖しのセレス』(2000年)の御景各臣、『電脳冒険記ウェブダイバー』(2001年)のグラディオン、『学園戦記ムリョウ』(2001年)の守口京一、『X -エックス-』(2001年)の皇昴流、『ちょびっツ』(2002年)の本須和秀樹などのメインキャラを演じました。 初めての主演作は『ちょびっツ』となりますが、『電脳冒険記ウェブダイバー』でも主役ロボを演じています。
こうして学生時代から着実に声優としてのキャリアを積んできた杉田さんは、2006年にその後の運命を大きく好転させるふたりのキャラクターと出会うことになります。そう、杉田さんの代表的キャラと言える、あのふたりです。