フリーダムな声優・杉田智和のルーツ 運命を好転させた2人のキャラ
多くのファンから注目されたふたつの当たり役

そのひとりが『涼宮ハルヒの憂鬱』(2006~2009年)のキョンです。物語の語り手でありツッコミ役。当時、作品がアニメファン以外からも支持されるほどのヒットを記録し、逆にこの作品をきっかけにアニメファンになったという人も少なくありませんでした。その結果、主演だった杉田さんの知名度も上がっていきました。
もうひとりが『銀魂』(2006年~)の坂田銀時。シーズン制でしたがテレビシリーズだけで10年以上におよぶロングランで、劇場版や実写映画版などのヒットもあって長い間、ファンには親しまれてきました。ハードなシリアスシーンからハチャメチャなギャグシーンまで、さまざまな演技がファンの記憶に残っています。
このふたりのキャラを演じたことが杉田さんという存在を一般に広く印象付けた要因でしょう。もちろん、これ以降にも杉田さんが演じた印象的なキャラはまだまだたくさんいます。
銀さんで思い出すのは、クロスオーバーしたことのある『SKET DANCE』(2011~2012年)の笛吹和義ことスイッチです。掲載雑誌とテレビ局が一緒でもアニメ制作会社が違うので驚きました。スイッチも銀さんとは違う変なところがツボですね。
『ジョジョの奇妙な冒険』(2012年)の第2部で登場したジョセフ・ジョースターも、杉田さんらしい勢いと茶目っ気のあるキャラでした。最終回やゲームでは年老いたジョセフも演じています。
『翠星のガルガンティア』(2013年)のチェインバーはロボットに搭載されたAIという設定だけに生真面目で、どこかズレたところが魅力的でした。最終回の名セリフ「くたばれブリキ野郎!」は最高でした。
その活躍はアニメだけではありません。杉田さんは特撮でも印象的なキャラを演じています。『仮面ライダーキバ』(2008年)のキバットバットIII世が初めての特撮作品になりますが、過去の世界にいたキバットバットII世にくわえ、未来から来たキバットバットIV世も演じています。チェックポイントはこのキバットのオモチャの声も杉田さんだということです。今の仮面ライダーでは当たり前になった「しゃべるベルト」の第一号声優になりました。
この他にも『ウルトラマンギンガ』(2013年)ではウルトラマンギンガとダークルギエル、『魔進戦隊キラメイジャー』(2020年)ではオラディンと各種アイテム音声を担当していたので、声優界では数少ないウルトラ、ライダー、戦隊の三大特撮レギュラー出演経験者ということになります。
他にも「七つの大罪」シリーズ(2014~ 2021年)のエスカノール、『新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION』(2018年)の速杉ホクト、『PERSONA5 the Animation』(2018年)のフォックスこと喜多川祐介などは印象深い人も多いことでしょう。今後の活躍が期待できる『鬼滅の刃』(2019年)の悲鳴嶼行冥にも注目したいところ。
独特の演技力で観る者をグイグイ引き付けていく杉田さんの今後の活躍を期待しつつ、改めてお誕生日をお祝いしたく思います。
(加々美利治)


