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『時空の旅人』など伝説のアニメが一挙上映!竹内まりや、萩尾望都ら豪華スタッフ集結

薬師丸ひろ子さんが主演した『セーラー服と機関銃』や原田知世さんの映画デビュー作『時をかける少女』など、角川映画は青春映画の傑作を生み出してきました。また、『幻魔大戦』をはじめとする劇場アニメでも知られています。2021年11月19日からの「角川映画祭」で久々にスクリーンで上映される角川アニメを振り返ります。

『セーラー服と機関銃』『時をかける少女』など80年代を席巻した角川映画

 1980年代に青春時代を過ごした人たちにとって、「角川映画」は心をざわつかせるものがあるのではないでしょうか。角川映画がブームだった80年代は、薬師丸ひろ子さん、原田知世さんらが主演した奇想天外な青春映画の数々にワクワクさせられた時代でもありました。

 2021年11月19日(金)~12月16日(木)、テアトル新宿やEJアニメシアター新宿などで「角川映画祭」が開催されます。薬師丸ひろ子さんが「カ・イ・カ・ン!」とつぶやく『セーラー服と機関銃』(1981年)、原田知世さんのはかなげな雰囲気に魅了された『時をかける少女』(1983年)といった懐かしい角川映画が連日上映されます。

 また、角川映画は実写作品だけでなく、大友克洋氏がキャラクターデザインで参加した『幻魔大戦』(1983年)を皮切りに、劇場アニメーションも製作しています。今回は「角川映画祭」で上映される作品のなかでも、意外なスタッフたちが顔合わせをしていた角川アニメをクローズアップします。

「本能寺の変」前夜、森蘭丸に恋するヒロイン

スタッフも主題歌も豪華なSFアニメ『時空の旅人』 (C)KADOKAWA1986
スタッフも主題歌も豪華なSFアニメ『時空の旅人』 (C)KADOKAWA1986

 キャラクターデザイン・萩尾望都、主題歌・竹内まりや、編曲・山下達郎、制作・マッドハウス……。SFアニメ『時空(とき)の旅人』(1986年)は、豪華な名前が並ぶクレジットを目で追うだけでも楽しく感じられます。『時空の旅人』が12月に公開された1986年当時の萩尾望都さんは、代表作『11人いる!』も11月に劇場アニメ化され、結合性双生児を主人公にした『半神』が「夢の遊眠社」で舞台化されるなど、少女コミックの枠を越える活躍を見せていました。

 原作者は眉村卓氏。薬師丸ひろ子さんが主演した学園ミステリー『ねらわれた学園』(1981年)でも知られる、ジュブナイルSFの第一人者です。萩尾望都さんが眉村作品の愛読者だったことから実現した企画でした。萩尾さんは戦国時代の資料を調べるなどして、メインキャラクターたちの衣装にもこだわっています。

 高校生の哲子たちが乗ったバスに、未来人アギノ・ジロが乗り込み、バスをタイムマシンに変えてしまうという冒険ファンタジーです。バスは太平洋戦争、幕末、そして関ヶ原の合戦へと時空をさかのぼっていきます。最後にたどり着いたのは、「本能寺の変」の前夜。哲子たちは織田信長一行と遭遇することになります。

 新しいもの好きな信長に哲子たちは気に入られ、安土城で歓待されます。このとき、哲子は信長の小姓・森蘭丸と出会うのですが、お互いになぜか初めて逢ったような気がしません。運命の出会いだったのです。タイムトリップ中の身ながら、哲子は蘭丸に惹かれていきます。「MAJIでKOIする500年前」って感じです。

 本能寺の変を直前に控えながら、信長に謀反を起こすはずの明智光秀が殺されてしまうなど、歴史上の事実と異なるハプニングが哲子たちに襲いかかります。合理主義者だった織田信長が生きていたら、その後の日本はどんな国になっていたのでしょうか? 今回の「角川映画祭」でも上映される『戦国自衛隊』(1979年)と『時をかける少女』をミックスしたようなストーリー展開で、竹内まりやさんが歌う「タイム・ストレンジャー」が流れるエンディングまで目が離せません。

【画像】スクリーンでイッキ見できる角川アニメの名作の場面カット(6枚)

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