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『ワンピース』でまだ登場がない「悪魔の実」 ビリビリ、ドロドロ…ネタ切れしない衝撃

『ONE PIECE』に登場する悪魔の実は「ゴロゴロの実」「バラバラの実」など擬音擬態語を用いたものが多いです。今回は、身近でよく使う言葉のなかで意外とまだ採用されていない「〇〇の実」について考えたいと思います。

「ツルツル」「パラパラ」も……絶妙な「ずらし」具合にも期待

さまざまな能力者登場の余地を残す、『ONE PIECE』の最新第101巻(集英社)
さまざまな能力者登場の余地を残す、『ONE PIECE』の最新第101巻(集英社)

 100巻を超えてもなお大盛り上がりの人気マンガ『ONE PIECE(ワンピース)』(著:尾田栄一郎)。本作の物語の鍵を握っているのが、「悪魔の実」の存在です。主人公ルフィが食べた「ゴムゴムの実」をはじめ、体をバラバラにできるバギーの「バラバラの実」、チョッパーが食べたヒト型に変身できる「ヒトヒトの実」、さらには一度死んでも蘇ることができる、ブルックの「ヨミヨミの実」など、かなり特殊なものまで多種多様です。

 悪魔の実はそれぞれ「超人(パラミシア)系」「自然(ロギア)系」「動物(ゾオン)系」に分類され、アニメオリジナルと合わせると200種類近くあります。連載が続くかぎりその数は増えていくことでしょう。

 さて、能力系バトル作品はストーリーが進むにつれ敵能力が複雑化していくのが慣例なのですが、『ワンピース』は現在もほぼ一目瞭然のわかりやすい能力ばかりが登場します。71巻で初登場の敵、セニョール・ピンクの能力が、地面や壁を自由に泳げる「スイスイの実」という、凄まじくシンプルな能力とわかったときは衝撃的でした。

 こうした「悪魔の実」の無尽蔵に思えるアイデアの基盤となっているのが、日本語表現における、現実の音を人間の言語でそれらしく表した言葉「オノマトペ」の豊富さです。一説では5000近くも存在しているといわれています。だからこそ、SNSやネット掲示板では比較的初期の段階から、今後登場するであろう「悪魔の実」の予想が繰り返し行われてきました。

 前置きが長くなりましたが、連載ももうすぐ25周年を迎える2021年現在、未だに登場していない「◯◯の実」は何が残っているのでしょうか。擬音語、擬態語に絞って考えていきたいと思います。

 まず筆頭は、「ドロドロの実」でしょう。感覚的には5巻あたりで登場してもおかしくない気もしますが、代わりにロウを操れる「ドルドルの実」が早い段階で登場します。このひとひねりが、なんとも『ワンピース』らしい彩りを感じます。その後も全身を沼のようにできる「ヌマヌマの実」や、体をぬるぬるした粘液に変えられる「ベタベタの実」、そして生クリームに変貌できる「クリクリの実」などが登場しましたが、「ドロドロの実」は未登場です。

 他にもネットでは、数えきれぬほどの「悪魔の実」が予想されていました。例えばゴロゴロの実の下位互換、あるいはそれを超える能力としての「ビリビリの実」、金になれるのか菌を操るのかはわかりませんが「キンキンの実」、スベスベの実の上位互換になりうる「ツルツルの実」などなど、実際に登場しそうなものもあれば、いい感じの炒飯が作れる「パラパラの実」といったふざけたものまであげられています。さまざまなオノマトペから予想の限りが尽くされており、なかには実際に登場したものもいくつか確認できました。

 他方で、日本語のオノマトペのようで、まったく違う意味をもって登場した「悪魔の実」もあります。例えば「シャリシャリの実」はシャーベット状の氷を生み出す能力などではなく、体の一部を「車輪」に変えることができる能力でしたし、「ベリベリの実」も何かを引き剥がす能力ではなく、体を「berry(ブドウやキイチゴ)」のようにバラバラに解体できる能力でした。

 またシャーロット・モンドールが食べた「ブクブクの実」も、響きだけなら相手を溺れさせてしまう、あるいは太らせる能力に思えますが、実際は「本(ブック)」を用いたあらゆる攻撃が可能な能力です。このオノマトペからのずらし方、本当に絶妙です。もしかしたら「ドロドロの実」も、「泥棒」などの意味で登場するかもしれません。

 前述のとおり日本語のオノマトペはとても豊富で、ちょっと思いつく限りここに並べてみても「バキバキ」「イライラ」「ダラダラ」「ドキドキ」「ムラムラ」……そこへ尾田先生のアイデアが加わったら、やはり「悪魔の実」のバリエーションは無尽蔵といえるでしょう。だからこそ、『ワンピース』がもう終盤であることが、どうしても信じられなくなるのです。

(片野)

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