ジオン軍最後の量産型MS「ゲルググ」 一年戦争後も改良型が登場、博物館入りも
汎用性の高さからバリエーションも多く作られた

基本形となるのが量産型の「MS-14A」ですが、その前に25機だけ少数生産された機体が「YMS-14」です。劇中でシャアの乗っていたゲルググで、アナベル・ガトーのゲルググもこのタイプとする記述があります。書籍によっては、後に「MS-14S」と型式番号を変更されたとするものがありました。
この通常型のゲルググに増速用ブースター・パックを取り付けたものが、便宜上「MS-14B 高機動型ゲルググ」と呼ばれます。もとは大河原邦男さんが描き下ろした「ゲルググ用オプションバーニヤ」が初出で、『MSV』発表時にBタイプとして加わりました。
このイラスト発表時に描かれたゲルググが赤く塗装されていて、シャア専用機以外にも赤いゲルググが存在するという矛盾から、ジョニー・ライデンという赤いゲルググに乗っていたパイロットがいるというという後付け設定が考えられたと言われています。このことを誰かが安彦良和さんに伝えたのか、漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』ではシャアのゲルググにこのB型パックが装備されていました。
後に、このB型装備に合わせて脚部を「高機動型ザクII(MS-06R)」のようなむき出しの大型スラスターに改修したものを「MS-14BR ゲルググ高機動型 R型」通称ゲルググRと呼ぶそうです。
このB型と一緒に運用される目的で開発されたのが「MS-14C ゲルググキャノン」。前述のオプションバーニヤの画稿に書かれていた設定が元で、『MSV』最初のラインナップの1機として登場します。前述したB型と、このC型は『MSV』で設定されたエース部隊「キマイラ隊」に優先して配備されていました。
『ZZ』のデザインコンペに提出され、後に『ZZ-MSV』として発表されたのが「MS-14D デザート・ゲルググ」です。後にリファインされて『機動戦士ガンダムUC』に登場しました。この機体の代わりに『ZZ』では、前述した「MS-14J リゲルグ」がゲルググのバリエーション機として登場しています。
『ポケットの中の戦争』に登場した「MS-14JG ゲルググJ」は、ゲルググの最終生産型で生産数も少ないと言われていました。『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』では、海兵隊仕様の「MS-14F ゲルググM(マリーネ)」が登場。また、シーマ・ガラハウ搭乗の指揮官仕様「MS-14Fs ゲルググM 」というバリエーションもありました。
そして、ゲルググの最新モデルとも言うべき機体が「MS-14J/BR ゲルググ・ウェルテクス」。マンガ『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』に登場、ガンプラとして立体化もされました。
宇宙世紀0090にアナハイムエレクトロニクスで製作され、アクシズ製のリゲルグのデータを取り入れています。装甲もガンダリウム合金を使用、外見は、背中のバックパック以外は一年戦争時代のゲルググと変わらないように見えても、中身は別物と言っていいほどのスペックを持っていました。
この他にも、ゲーム『機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…』で登場した「MS-14G 陸戦型ゲルググ」。同じくゲーム『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』に登場した「OMS-14RF RFゲルググ」。ゲーム『ギレンの野望』では、アニメでは搭乗できなかったエースパイロットたちの専用機として何機か登場していました。
『機動戦士ガンダムUC』に「袖付き」仕様機が登場したのが戦場での最後の活躍だったでしょうか。『機動戦士ガンダムF91』では、ロイ戦争博物館に展示されていました。
ジオン軍最後の量産機として人気が高く、後年の作品にも登場しているゲルググ。総生産数が738機とされていますが、まだまだバリエーションは増えるかもしれませんね。
(加々美利治)





