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ジオン軍最後の量産型MS「ゲルググ」 一年戦争後も改良型が登場、博物館入りも

量産型MSにも関わらず、ガンダムと互角の性能を持っていたと言われるジオン公国軍の傑作機「ゲルググ」。その活躍は一年戦争後にも及び、最新の技術で改良機も製作されました。

量産が早ければ戦局を変えたと言われている高性能機

『機動戦士ガンダム』で最初に登場したゲルググはシャア専用の赤い機体だった。画像は「HGUC 1/144 シャア専用ゲルググ」(BANDAI SPIRITS)
『機動戦士ガンダム』で最初に登場したゲルググはシャア専用の赤い機体だった。画像は「HGUC 1/144 シャア専用ゲルググ」(BANDAI SPIRITS)

 1月4日は「ゲルググの日」です。他のジオン系MS(モビルスーツ)は、9月2日(グフの日)、10月6日(ドムの日)と、語呂合わせになっていますが、ゲルググはそれが浮かばなかったことからか、型式番号の14を紐づけたものになったのでしょう。

 ゲルググは『機動戦士ガンダム』に登場した、ジオン公国軍が最後に量産したMSです。その性能はガンダムに匹敵し、量産化が1か月早ければ一年戦争の行方は変わっていたかもしれない……そう語られるほどの高性能機でした。

 また、ゲルググは「YMS-15 ギャン」との次期主力MSの選定に勝利して量産化されたという設定もあります。これは書籍『ガンダムセンチュリー』が初出で、この時に「MS-14」という型式番号が設定されました。

 一部でゲルググの型式番号を「MS-11」と記したものがありましたが、これは劇場版『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』公開前にアニメ製作側が前述した書籍を意識せずに付けたもので、この後に書籍で発表された「14」に統合されたからです。

 ゲルググはシャア専用機が先に画面へ登場し、量産型が後から登場しました。そのことが理由かは分かりませんが、量産型よりシャア専用機の方が多く誌面などで扱われていた時期があります。このことから『機動戦士ガンダムZZ』のマサイ・ンガバが搭乗したタグのゲルググ、イリア・パゾムが搭乗したリゲルグ、OVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』のゲルググJ(イェーガー)などが量産型の緑ではなく、赤かったのではないか?……そう考察する人も少なくありません。

 ジオン軍初の携帯式のビーム兵器を使用できるMSだったゲルググ。特にビームナギナタは通常のサーベルとは違う片刃式で、両端からビームの刀身が出るという異色の兵装です。しかし、両端でビーム刃を出した時の扱いはむずかしく、片側だけで使用することが多かったとされていました。

 そして、機体がモジュール構造になっていたことも特徴のひとつで、ガンダムの攻撃でゲルググの腕を失ったシャア・アズナブルが、「これくらいでは爆発しない」と言っていたように、誘爆の可能性も少なくパイロットに対する安全性にも寄与しています。そして、バックパックを標準装備していないことで、後述する換装による戦術変更が容易になりました。

 このように、傑作機と呼べるほどの高性能だったにも関わらず、戦場への投入が遅かったことから「悲運の機体」になったわけです。しかし、そのバリエーション、派生機は少なくなく、その後のジオンが関わった戦いに最後まで参加することになりました。

【画像】赤色が多めだが「紫」もある? 一年戦争後に登場した「ゲルググ」たち(7枚)

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