16歳でアニメ界に現れた坂本真綾 菅野よう子を「にらんだ」エピソード
3月31日は声優・坂本真綾さんの誕生日です。小学生時代から子役として活動していた坂本さんは1996年に放送されたTVアニメ『天空のエスカフローネ』でヒロインの神崎ひとみ役と主題歌の「約束はいらない」を担当し、声優としても歌手としてもブレイクを果たしました。その後も素晴らしい活躍を続ける坂本さんからは、目が離せません。
「約束はいらない」の衝撃

3月31日は、声優・坂本真綾(さかもと・まあや)さんの誕生日です。おめでとうございます!
筆者が初めて「坂本真綾」という名前を知ったのは、1996年に放送されたTVアニメ『天空のエスカフローネ』のヒロイン神崎ひとみと主題歌「約束はいらない」を担当したときでした。当時はまだ『新世紀エヴァンゲリオン』の熱気冷めやらぬ時代であり、アニメファンは「またすごいアニメが始まらないだろうか」と、新番組が始まるたびに入念なチェックを欠かさなかったものです。
そんな折、突然彗星のように現れ大きな衝撃を与えたのが、若干16歳の坂本さんでした。菅野よう子さん作曲によるオープニングテーマ「約束はいらない」の旋律と共に流れる可憐で透明感のある歌声は、90年代、いや日本のアニメの歴史のなかで、最高峰にあることを疑う余地などない素晴らしいものでした。多くの人の頭の中に、「坂本真綾」という名前を刻み込んだのです。
なお、坂本さんは当初、オーディションで勝ち取った神崎ひとみ役を演じるだけの予定だったのですが、菅野さんから「主題歌も歌ってみる?」と誘われ、歌手としてデビューすることになったと語っています。菅野さんも、最初に会った時の様子を後に語っており、「歌ってもらうかどうか、まずは会って本人の人となりを見てから決めようとしたところ、雑談の中で“もう反抗期は終わったの?”と不用意に聞いたら。キッと睨まれた」と語っています。その目を見た菅野さんが坂本さんには「自分がある」と理解したことにより、歌手への起用へとつながったそうです。
まだ高校生の坂本さんが業界の大先輩にあたる菅野さんに対して、自分を貫くのは簡単にできることではありません。厳しい競争が繰り広げられる声優の世界で生き抜くために必要な精神力を、坂本さんはこのときすでに備えていたのでしょう。