【漫画】つらい状況に耐えるだけの日々、未来に待ち受けているのは? 不穏な結末に「鳥肌」
苦しさや悲しさに、ひたすら耐える日々。その先には何があるのか……? 兎3さんの4コマ作品『つらい』がTwitterで公開されました。オチの独特な表現に「ドキッ」とさせられ、さまざまな解釈ができるマンガです。
ただ我慢するだけの人生は永遠に苦しい

擬人化された兎が登場するマンガをTwitterで公開している兎3さん(@usagi3_comic)が、創作4コマ作品『つらい』を公開しました。いじめや受験の失敗など、多くのつらい出来事に直面し、そのたびに「でも、これを乗り越えれば……」と考えている主人公の様子が描かれています。
苦しい場面でも「きっといつか状況が好転するはずだ」と考えることで、ひたすら耐えてきた1匹の兎。主人公の未来には、何が待ち受けているのでしょうか? 本作は、読者に想像の余地を残した4コマ目で幕を閉じ、さまざまなことを考えさせるマンガに仕上げられています。
読者からは「鳥肌立ちました」「やっぱり一生耐え忍ぶってやめたほうがいいですね」「真相は彼のみぞ知る……?」などのコメントが集まりました。現実と照らし合わせ、「生きてると大体これ」「日本社会じゃん」「私の人生ですね……」と感じた方もいたようです。Twitter投稿には1000件を超えるいいねがついています。
作者の兎3さんに、お話を聞きました。
ーー兎3さんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。
通勤電車が片道1.5時間と長く、スマホ片手にSNSを見ているのも虚しくなり「何か有意義なことをやろう」とスケッチブックに絵日記を描き出したのが始まりでした。電車の振動に慣れず、はじめは線がガタガタでした。
ーー今回の作品をマンガに描いてTwitterで発表したのは、どのような思いからでしょうか?
ふと、「今までの人生、つらいことを乗り越えた先にあったのは“次のつらいこと”でしかなかったな」と思うことがありました。この先もそうだと思うとゾッとしたので「この感情をどこかに描き残しておきたい」という衝動に駆られ、発表しました。
ーー4コマ目の表現が特徴的な作品でした。このアイデアは、どのように生まれましたか?
1~3コマ目までは過去から現在の私ですが、4コマ目だけは未来になってしまうので、恥ずかしながら何も思い浮かびませんでした。また「耐えるだけの人生に幸せな結末を求めてはいけない」という自戒の念も込めて、暗転の結末としております。
ーー作品に対する反応で、特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。
同じく耐え忍ぶ環境下にいて、このマンガで考えが変わった……といった主旨のコメントが印象に残っています。防衛戦の最中で攻めに転じるのも、逃げ出すのも、大きな勇気を要する決断です。コメントをくれた彼・彼女の先行きが明るいことを祈るばかりです。

ーー『つらい』のほかに、兎3さんご自身がお気に入りの作品や、これまでに反響が大きかった作品があれば、ご紹介をお願いいたします。
気に入っている作品は、全4ページの『正しい人生』です。反響が大きかった4コマには『伝説の剣』などがあります。また、過去最大にバズったのは『カミングアウト』という作品です。
ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?
今後のことは考えないようにしています。展開の読めない物語のほうが「先を読み進めよう」という気になるのと同じで、自分の未来も、ある程度の不確実性を持たせたほうが、先を見たくなるものだと考えております。
とはいえ「兎」が出てくることは今後も変わりないでしょう。
(マグミクス編集部)