「キャラゲーは微妙」を覆した名作ゲームたち 「クオリティ高過ぎ」で版元を困らせた?
ファミコンが大ブームになってから長きにわたり、何らかの原作を持つゲーム、通称キャラゲーは「ゲームとしての出来はイマイチ」と言われがちでした。しかし、綺羅星のように光る名作キャラゲーもありました。筆者が最高だと感じた、さまざまなハードの名作キャラゲーを紹介します。
「ファンなら買い」にガックリしたあの日

マンガ、アニメ、映画など、何らかの原作を使用して作られた版権モノのゲーム、通称キャラゲー。ファミコン全盛期はこれが粗製乱造されてしまい、その後長らく「キャラゲーに当たりナシ」という風潮が続いてしまいました。しかし、すべてがそうだったわけではありません。素晴らしいクオリティだった往年の名作キャラゲーを紹介します。
●「これはもはや正史」と言わしめた『キャプテン翼II』
いきなり鉄板ソフトの登場です。高橋陽一氏による原作マンガは、全日本ジュニアユースチームを率いた大空翼が仲間たちと国際Jr.ユース大会を制し、単身ブラジルへ渡るシーンで完結しましたが、本作はその2年後からスタート。
翼はブラジルのサンパウロFCを率いるキャプテンとしてリオカップ(クラブチーム対抗戦)に挑み、日本では3年生になった岬太郎が率いる南葛高校が、悲願の全国大会初優勝をかけて日向小次郎率いる東邦学園高等部と激突します。
その後、岬や日向たちは世界大会に向けて全日本ユースを結成しますが、強化試合の相手はなんと翼率いるサンパウロFC! プレイヤーはここで翼側を操作するので「全日本ユースと試合する」というドリームマッチを満喫できます。
そして翼もキャプテンとしてチームに合流し、世界最強の座をかけてブラジルユースに挑む……と、息つく間もなく燃えるストーリーが展開! 本作を遊んだファンたちの多くは「これはもはや正式な原作の続きといえるレベル」と称えました。
原作サイドもそれを認識しているのか、本作オリジナルキャラである翼の新たなライバル、カルロス・サンターナは、高橋陽一氏による原作マンガの続編にも逆輸入されたほどです(名前と容姿のみで、性格は大きく異なる設定になりましたが)。
●これを待ってた!『ドラゴンボール』初の格闘ゲーム『超武闘伝』
『ドラゴンボール』のゲームは第1作目こそアクションゲームだったものの、『ドラクエ』の大ヒットでRPGブームが起きたことを受けて2作目からはカードバトルを採用したRPGに転身。シリーズを経るごとに洗練され、遊びやすくなっていきましたが「せっかくのバトルマンガなのになぁ」という気持ちもどこかにありました。
そして、スーパーファミコン(SFC)でそんなさびしさを埋めてくれる格闘ゲーム『ドラゴンボールZ 超武闘伝』が登場! 野沢雅子さんらアニメキャストのボイスもばっちりサンプリングし、大きなサイズで描かれたキャラたちによる迫力のバトルが実現しました。
格闘ゲームとしては粗削りな面もありましたが、舞空術による空中戦、かめはめ波をはじめとする各種エネルギー波はもちろん、悟空だけに用意された三連攻撃「メテオスマッシュ」のかっこよさは感動のひと言!
真上に蹴り上げた相手を超スピードで追い越して組んだ拳を振り下ろして地面に叩きつけ、最後は痛烈なエルボーで横に吹き飛ばすという、「まさにドラゴンボール」といえるケレン味タップリな大技でした。ただ、ゲームと同発だったVジャンプの攻略本でそのメテオスマッシュのコマンド表記が思いっきり誤植されていたのは苦い思い出です……。