究極の「ニワカ戦法」? ジャンプ名作マンガ「人気の編」だけ読んで楽しめるのか?
さすがに難しい作品もある?

●『呪術廻戦』渋谷事変編
最後は近年の人気マンガでも検証してみます。2023年のTVアニメの第2期スタートでも話題の『呪術廻戦』から、作品自体のその後の展開に大きな影響を及ぼしている「渋谷事変編」です。
筆者の『呪術廻戦』歴ですが、前2作と違い、ある時期にひと通り読んでいる状態です。しかし一気読みしていたため、各キャラの知識はあっても細かなエピソードや伏線などはすっかり忘れていました。読み直しとして、「渋谷事変編」だけを読んでみます。該当するのは10巻から16巻の合計7巻です。
結論から申し上げると、『呪術廻戦』においてはいきなり「渋谷事変編」から読むのは「無理」だと思います。一度読んだにもかかわらず、10巻からスタートしたところで、早くも暗雲が立ち込めました。
読み始めて気づいたのですが、「渋谷事変編」は、渋谷を舞台に敵側が最強キャラ・五条悟を封印しようと奮闘するエピソードですが……とにかく登場人物が多いのが特徴で、知識ゼロ状態で読み始めると、どれが重要キャラでモブキャラか区別がつかない事態になりそうです。完全未読で読み始めると、「渋谷にパンダ?しかも喋る?何で??」となるでしょう。
それだけでなく、そもそも『呪術廻戦』は能力や技が複雑なのが作品の特徴で魅力でもあるため、「領域展開」など難しい用語が多く、それらの説明をすっ飛ばされるので、部分読みはかなりの難易度です。諦めて、やはり第1巻から楽しむことをオススメします。
今回は人気エピソードだけを読んで検証してみましたが、当然ながら読んでいて共通して感じたのは、やはり「100%は楽しめていないこと」です。モヤモヤしたまま読み進めることとなります。
ただ、22年末から大ヒットしている『THE FIRST SLAM DUNK』は、いきなり原作『SLAM DUNK』終盤の「山王戦」から見ることになる映画ですが、それでも「全員知らないキャラなのに楽しめた」「これきっかけでずっと手を出せていなかった原作マンガを読んだ」というレビューなども見かけるなど、初心者にも好評です。どんなマンガでも、なるべく1巻から読むことをオススメしますが、「人気の編」から読んでもある程度は楽しめますし、最終的には全部読みたくなることでしょう。
(椎名治仁)





