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『ドラクエ』に出てくる「井戸の中」の魅惑 家としても快適な場所?

井戸は使ったことがなくても、「覗きこんだ」ことはあるのではないでしょうか?そう、『ドラゴンクエスト』のなかで。あのワクワクとした気持ち、具体的に振り返ってみましょう。

最初から「井戸」があるわけではなかった『ドラクエ』世界

ニンテンドーDS版『アルティメットヒッツ ドラゴンクエストVI 幻の大地』(スクウェア・エニックス)
ニンテンドーDS版『アルティメットヒッツ ドラゴンクエストVI 幻の大地』(スクウェア・エニックス)

 井戸のなかを覗くと、そこには何が見えるでしょうか?

 水でしょうか、奥深くまで続く暗闇でしょうか。そもそも「実物の井戸」を使ったことがない人が増えているなか、ドラクエファンに同じ質問を投げかけると、「人が住んでいる」などと、素っ頓狂な答えが返ってくることでしょう。

 そう、国民的RPGシリーズ『ドラゴンクエスト』シリーズにおいて、「井戸」を覗く行為はちょっとしたアトラクションでした。何が待ち受けているか分からない、異次元への入り口だったのです。この記事ではそんな「ドラクエ」特有の、めくるめく魅惑の井リュージョンを汲み上げましょう。

 実は『ドラクエ』の歴史の中で「井戸」は最初からあったわけではありません。「ドラクエ」世界に井戸が最初に現れたのは、1988年発売の『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』からでした。とはいえ、まだ『III』の時も井戸はただそこにあるだけであり、覗き込むことは叶わないのです。実際、説明書のアリアハン城下町地図の井戸の説明には、「残念ながら入ることはできません!」とわざわざ記載されています。

「ドラクエの井戸」に革命が起きたのは1995年発売の『ドラゴンクエストVI 幻の大地』の時でした。「上の世界」と「下の世界」を往来するストーリーの要請に合わせ井戸が大活躍、なかに入り込むことができるようになるのです。単なるワープゾーン的な役割を果たす井戸も多数出現しますが、冒険者の楽しみはなんといってもそのバリエーションです。

 底にただ水が溜まっているだけの、正直どうやって水をくみ上げているのかわからない井戸もあったり、下に降りると中央に広い足場があり、そこにベッドやタンスなど家具一式が揃った「ニトリ感」すら漂う「井戸ハウス」で暮らす老人がいたり、「井戸の底の店」としてアングラ感漂う高級武器防具屋が集まっていたり、と独自の文化を形成しています。さらに「いどまねき」のような魔物が潜んでいる可能性があるのもまた、井戸の多様性を拡張しています。

『VI』の仕様にならうように、以前のナンバリングのリメイク版でも続々と井戸に入れるようになります。例えばリメイク版『III』のアリアハンにある井戸を覗き込めば、「小さなメダル」を集めている「メダルおじさん」の家があるのです。メダル王でなく、メダルおじさんです。おそらく世界で一番、井戸が似合うおじさんです。

『VII』では温泉施設になっていたり、リメイク版『IV』の裏ダンジョンでは井戸があるフロアの階下に全く同じような井戸があったりと、「井戸エンタメ」は多彩です。まさに、「井次元」であり「井世界」であり「井リュージョン」なわけですが、それはそれとして、井戸が宝箱と同じくらいワクワクできるものになっているのは「ドラクエ」世界だけです。

(片野)

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