「映画2000円」は本当に高い? 各国の鑑賞料金・平均所得を比較して見えた真実
TOHOシネマズ映画鑑賞料金の値上げが発表、一般2000円の大台に突入します。各国の映画館と比べて日本の映画館は高過ぎるのでしょうか? 世界各国の鑑賞料金と平均所得を合わせて比較することで、日本の映画館の「割高感」を調査しました。また、値上げによって日本のアニメ業界にどんな影響が出るかを考察します。
2023年6月から一般料金2000円に値上げ

先日、大手シネコンチェーンのTOHOシネマズが、6月から基本料金を値上げすることを発表しました。一般鑑賞料金が現在の1900円から100円の値上げとなり、2000円の大台に乗ることになります。
TOHOシネマズは2019年にも一般鑑賞料金を1800円から1900円に値上げをしています。この時は26年振りの値上げだったのですが、わずか4年で再び値上げを断行したことになります。追随するように東映も値上げを発表しており、4年前と同様、他の映画館もこれに続くものと見られます。
その背景をTOHOシネマズは、光熱費や飲食の原材料高騰などを理由として挙げています。日本にもインフレの波が押し寄せてきて、色々なものの値段が上がっていることを実感している人は多いでしょう。値上げするのもある程度しょうがない部分はあるかもしれません。
しかし、2000円は高いと感じる人もいると思います。それに、そもそも映画館の適正な料金はいくらなのかよくわからない人も多いでしょう。そこで諸外国の映画館の鑑賞料金を、物価やひとり当たりの所得の推移も加味しながら比較します。
●日本の映画館は主要な映画市場で3番目に高い
日本の映画館の一般料金はだいたい1800円から1900円です。しかし、さまざまな割引サービスなどがあり、そういうものを組み合わせた年間の平均鑑賞料金は、2022年は1402円となっています。
この平均鑑賞料金を、映画市場の主要な国々と比較してみましょう。わかりやすくするために、単位は全て円に換算します。為替レートは2023年5月現在のものとします。
取り上げる国は、アメリカ、中国、日本、フランス、イギリス、ドイツ、韓国、オーストラリア、メキシコ、インドの10か国。世界の映画市場の上位10か国です。以前はメキシコよりロシアの方が大きな市場でしたが、戦争でアメリカ映画が上映されなくなるなど、色々と特殊な状態なので代わりにメキシコを入れます。
この10か国を平均鑑賞料金順に並べると以下の通りです。数字は2022年の平均料金です。フランスだけ2022年のデータが見つからなかったので、2021年の料金を使いました。平均点以下は四捨五入しています(※1)。
1.オーストラリア 1,485円
2.アメリカ 1,420円
3.日本 1,402円
4.ドイツ 1,378円
5.イギリス 1,311円
6.フランス 1,042円
7.韓国 1,054円
8.中国 821円
9.メキシコ 502円
10.インド 196円
日本の平均料金は、上から3番目。それなりに高いと言えそうです。
ちなみに、日本の映画館は全国の入場料金がほぼ同額ですが、アメリカでは地域差がかなりあります。物価の高いニューヨークでは、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の2D上映の一般料金が18.99ドルですが、ワイオミング州の劇場では8.49ドルです(どちらも月曜日の夕方4時台の上映。アメリカは時間帯によっても料金が異なる場合もある)。
日本の場合、物価や所得の地域差にかかわらず、全国ほぼ同じくらいですが、映画サービスデーや映画館独自の割引デー、ポイントカード的な施策など割引サービスがたくさんあるのが特徴です。
TOHOシネマズと東映に追従して各社が100円値上げをすれば、オーストラリアの金額を抜いて日本がトップになる可能性もあるでしょう。TOHOシネマズは一般料金以外にシニア、ファーストデーなどのいくつかの割引価格についても100円値上げしますので、平均価格が一気に上がるかもしれません。





