『鬼滅の刃 無限城編』は“興収400億円”を超えられる? 155分の長尺が「足かせ」になる可能性も
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が2025年7月18日にいよいよ公開。『無限列車編』の国内興行収入400億円という歴史的大記録の再来に注目が集まっています。500万部の入場者特典や初日40回上映など期待は高まる一方、社会状況の変化やライバル作品の存在など、前作とは異なる課題も。果たして「400億円の壁」を突破できるのでしょうか。
「無限列車編」との決定的な違いとは

2025年7月18日、ついに『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が公開されます。2020年に公開され、国内興行収入400億円を超えるメガヒットを記録した『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』以来の完全新作映像で構成される劇場版とあって、日本のみならず世界中のファンの期待が高まっています。
『無限列車編』の記録の再来を臨む声もありますが、果たして『無限城編 一章』は、どこまであの歴史的な大記録に迫れるのでしょうか。
●社会状況の変化:『無限列車編』公開時とは異なる興行環境
まず前提として、国内興行収入400億円というのは驚異的な数字です。日本では毎年1000本近い映画が公開され、総興行収入は例年2000億円から2500億円ほどです。『無限列車編』が公開された2020年はコロナ禍で全体の興行収入が1432億円に落ち込むなか、同作だけで全体の3分の1近くを占めるという、常識では測れないほどの社会現象的な大ヒットとなりました。
これを再現するのは、決して容易なことではないでしょう。
また、原作マンガの連載が終了したのは2020年5月。『無限列車編』の公開時期は、まだ連載終了の熱気が冷めやらず、ファンの「ロス」を埋めたいという感情もヒットを後押ししたと考えられます。あれから数年が経ち、多くの素晴らしい作品が登場した現在、必ずしも『鬼滅の刃』一強とは言えない状況です。
それでも、本作にかけられる期待は非常に大きいと思われます。ファンはもちろん、映画館側の期待も相当なもので、例えばTOHOシネマズ新宿では公開初日に40回もの上映回数を確保しています。実際、7月17日時点で初日7月18日のチケットはすでに完売の回も出ており、多くの回で残席がわずかであることを示す△マークがつくなど、その期待の高さがうかがえます。
『無限列車編』は公開初日だけで12億円を超える興行成績を記録しましたが、少なくとも公開初日に関しては、同等のスタートダッシュが期待できるかもしれません。
●ロングランの鍵を握る「入場者特典の行方」
しかし、好調なスタートだけでは400億円という数字には届きません。『無限列車編』は、公開から半年以上も週末ランキングのトップ10に入り続けるという驚異的なロングランヒットによって、あの大記録を達成しました。
このロングランの鍵を握る要素のひとつが、複数回にわたって配布される「入場者特典」です。近年の劇場アニメでは、第17弾まで用意する作品もあるほど、定番の施策となっています。
今回の『無限城編 一章』では、第一弾入場者特典として特製アートスタンドなどが500万部用意されています。2024年の映画館の平均入場料金1433円で計算すると、この特典がすべて配布されれば、それだけで71億円を超える興行収入が見込める計算になります。『無限列車編』の第一弾が450万部だったことを考えると、50万部も上乗せしていることになり、配給側の自信の表れと見て取れるでしょう。
『無限列車編』では、第6弾まで特典が用意されたほか、キャラクターの誕生日を記念した特別なプレゼントもあり、ファンの熱を持続させる工夫が凝らされていました。もちろん、ファンは特典だけが目的で映画館に行くわけではありません。あの特別な熱気を体験したいからこそ足を運ぶのであり、特典以外のプロモーションやコラボレーションでいかに盛り上がりを維持していくかも重要になってくるでしょう。