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『鬼滅の刃 無限城編 第一章』は「映画館で観ないと損」なワケ 満席の劇場で感じた「圧倒的没入感」

2025年7月18日に公開された『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』は、155分という長尺を全く感じさせない密度の濃い作りと、手に汗握りっぱなしの鑑賞体験に満ちていました。

手に汗握る155分

『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』キービジュアル (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』キービジュアル (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』(以下:無限城編 第一章)が、2025年7月18日についに公開されました。初日から多くの観客が詰めかけ、平日にもかかわらず映画館は異様な熱気に包まれていました。

 筆者は午前中の上映回に参加したところ、グッズ売り場が長蛇の列で、かなり早めに劇場に着いたにもかかわらず、パンフレットを購入するために並んでいたら、上映開始5分前の入場となってしまいました。

 各シネコンでは本作の上映回数を多くしているものの、それでも筆者の行ったシネコンではほぼ全上映回が満席近くとなっていました。非常に多くの方がこの日を心待ちにしていたことがうかがえます。

 そんな多くの人の期待を背負った『無限城編 第一章』は、ファンの熱気に負けないくらい、中身も熱い完成度となっていました。上映時間155分の長さを感じさせない密度の濃い作りになっており、手に汗握りっぱなしの鑑賞体験です。

※以下、内容に関するネタバレには十分配慮していますが、映画の構成について触れています。ご注意のうえ閲覧ください。

●原作のどこまで描かれた?

 原作の「無限城編」は相当に長いですが、今回描かれるのは、胡蝶しのぶvs童磨、我妻善逸vs獪岳、そして炭治郎&冨岡義勇VS猗窩座の決着までとなります。

 しかし、その原作エピソードをなぞるだけでなく、巨大に広がる無限城で戦う他の柱たちや隊士たちの戦いも随所に挟まれる構成となっています。とりわけ無名の平隊士のがんばりもふんだんに描かれていて、これが一部の強者だけでなく、鬼殺隊総力を挙げての戦いであることがより強く強調されることとなりました。

●脅威の無限城描写

 今回の舞台となる無限城は、これまでも時折登場し、その構造の複雑さと広さで視聴者を驚かせてきました。今回は本格的にその内部で戦いが繰り広げられることになり、この無限城の描写が圧巻です。

 3Dモデルによって作られているのですが、とてつもない広大さとなっていて、この背景だけでとんでもない予算が投入されていそうです。とにかく広大かつギミックが豊富。縦横無尽に変化し、動く構造になっているため、マンガではうかがい知れなかったその複雑さに目を見張ります。キャラクターの動線を考えるだけでも、大変そうです。

 しかし、この描写によって、このような異常な場所で戦うだけでも苦労しそうと思わせることができており、苦労して組み上げた成果が映像に表れていました。

 本作の公式パンフレットの初回限定版によれば、ufotableの当初の計算では、社内の全計算リソースをつぎ込んでも、無限城のシーンのレンダリングだけで3年6か月かかる計算だったとか。あまりに非現実的な数字なために、高速計算できるマシンを増設、サーバールームも改築し、ネットワークも見直すなど不断の努力を重ねたことが明かされています。

 その努力の成果は映像の密度にしっかりと表れています。アニメは画面に映る全てを作りこむ必要がありますから、引いた画を作る場合は、大変です。それでも、本作は引いた画を多用して、無限城の広さをしっかり見せて、その引いた画の中で大量のキャラクターと鬼が戦っているシーンや炭治郎たちが移動しているシーンをわざわざ描きこんでいます。

 そのおかげで観客は、無限城の広さを映像で実感できて、自分もあの迷宮に迷い込んだような鑑賞体験ができるようになっているのです。

【画像】「かわいい!」「転売ヤー来ないで」 こちらが争奪戦必至(?)な『鬼滅の刃 無限城編』劇場グッズのビジュアルです(6枚)

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杉本穂高

杉本穂高
映画ライター。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。
https://x.com/Hotakasugi

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