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映画『この素晴らしい世界に祝福を!』ー気負わずに楽しめる「異世界もの」の代表作

TVアニメ版を観ていなくても楽しめる工夫も

映画でも大活躍するアクア、めぐみん、ダクネスの3人(左から)。それぞれのキャストは、『映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』エンディングテーマ「マイ・ホーム・タウン」を歌う(日本コロムビア)
映画でも大活躍するアクア、めぐみん、ダクネスの3人(左から)。それぞれのキャストは、『映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』エンディングテーマ「マイ・ホーム・タウン」を歌う(日本コロムビア)

 改めて、「異世界転生もの」躍進の理由を考えてみると、まず「異世界転生もの」の主人公は、努力に努力を重ねて成長していくようなタイプではないことが多いです。もといた世界では冴えない存在だったのが、異世界に転生することで、突然強くなったり、モテたり、さまざまな能力が身についたりします。

 多くの人にとって、超人的な努力は難しい。それでいて、誰かに認められたいのです。異世界に転生した主人公たちは、努力ではなく、「転生」という超常現象によって力を手にするため、観る者も自分を投影しやすいと考えられます。

 もうひとつ、「現実の人間関係を忘れられる」という点も挙げられます。現実世界の人間関係やシガラミは、時にはありがたいことであり、同時に面倒なことでもあるのです。しかし異世界に来てしまえば、そんなものはありません。誰も自分の過去や人となりを知らないので、フラットな状態で新しい人間関係を構築できるのです。こうしたことから、「異世界転生モノ」は多くの人が何も気負わずに見ることができるのです。

『この素晴らしい世界に祝福を! 紅伝説』は、お馴染みのキャラクターたちが予想を裏切らず、テレビアニメ版と同様に大暴れしてくれます。めぐみんのエクスプロージョンの迫力は映画ならではの派手な演出があって、それだけでも一見の価値あり、と言ったところでしょう。

 かといって、テレビアニメを見ていない人が楽しめないわけではなく、冒頭のカズマたちの会話で、キャラクターの立ち位置や、性格がわかるよう工夫がなされていて、すぐに映画に入り込めるようになっています。気負わず見ることができる「異世界転生もの」の人気作を、劇場でぜひ楽しんでいただけたらと思います。

(二木知宏)

(C)2019 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/映画このすば製作委員会

【画像】Machicoさんが歌う映画版テーマソング、キャストが歌うED曲も(4枚)

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