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『機動戦士ガンダム』総人口の半分は、いつどこで死んだのか 「コロニー落とし」の瞬間ではなかった?

『機動戦士ガンダム』の冒頭では、地球に落下するコロニーを背景に、地球連邦とジオン公国の戦いで総人口の半分が死亡したことが語られます。コロニー落としにより地球は甚大な被害をこうむりましたが、実は大半の死者は地球では無く宇宙に移民した人間たちでした。総人口の半分は、いつ、どこで死んだのでしょうか?

「総人口の半分」は、どこで死んだのか

ジオン軍によるコロニー落としの衝撃的映像から幕を開ける、 『機動戦士ガンダムDVD-BOX』(バンダイビジュアル)
ジオン軍によるコロニー落としの衝撃的映像から幕を開ける、 『機動戦士ガンダムDVD-BOX』(バンダイビジュアル)

『機動戦士ガンダム』の冒頭で流れる、落下したコロニーが地表に激突する瞬間に生じた巨大な衝撃波が都市を飲み込み、すべてが光のなかに消えていくシーンは、小さな子供でも大量の死者が出たことを簡単に理解できる強烈なインパクトを持っていました。

 地球連邦とジオン公国の戦いはわずかひと月あまりの戦いで総人口の半数を死に至らしめたとナレーションで語られており、このコロニー落としにより多くの死者が出たと考えている方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。「総人口の半数」といわれる人口がいつ、どこで死んだことになっているのかを考えてみると、実は子供のころに想像していたのとは違った実態が見えてくるのです。

 まず、被害の規模から考えれば、億の単位で死者が出たのは間違いないでしょう。特に大型コロニーの落下がもたらした津波や気象変動は地球の環境に大きな悪影響をもたらし、1981年に発売された『ガンダムセンチュリー』では、落下による一次被害で3億2千万人の死傷者および行方不明者、二次被害で20億人以上の人的被害を出したとされています。コロニー落としの被害については資料によって異なることが多く、あくまで参考でしかありませんが、甚大な被害であることに代わりはありません。

 しかしここでおかしなことが分かります。宇宙世紀0079年の人口は110億人から120億人とされており、そのうち20億人が地球に、あとの80億人から90億人が宇宙に住んでいる状況なのです。仮にコロニー落としにより地球住まいの人間が10億人死んだとしても、人口の半数である55~60億人には到底足りません。

 つまり、大半は「コロニー落とし」ではなく宇宙で死んでいるのです。

『ガンダム』に登場するスペースコロニーはさまざまなタイプがありますが、ジオン公国のサイド3で使用される、採光ミラーを持たない「密閉型」コロニーは、1基あたり1000万人が収容可能とされています。他のサイドで使われる、ミラーを持つ「開放型」は最大収容人口3000万人とされていますが、『機動戦士ガンダムZZ』の主人公、ジュドー・アーシタの出身コロニーであるシャングリラは4000万人近い人々が暮らし始めたと1話冒頭のナレーションで語られています。コロニーによっては、限界を超えて人間を詰め込んでいる状況であることが分かります。

 これらのコロニーが大量に破壊されたために40億人以上の死者が出たのは明らかです。その犯人は誰なのか?

 答えは簡単、ジオン公国軍です。

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