あらゆる面で革命的! 初代『ガンダム』のリュウ・ホセイは「デブキャラ」の概念を変えた男
『機動戦士ガンダム』はあらゆる面で革命的なアニメでしたが、リアルなSF設定や戦争の描写のみならず、キャラクター造形もそれまでのアニメとは一線を画していました。その代表的な存在が、リュウ・ホセイです。
ホワイトベースの精神的支柱だったリュウ

アニメ『機動戦士ガンダム』(1979年)は、あらゆる面で革命的な作品でした。子ども向けだと思われていたロボットアニメというジャンルに、リアルなSF設定、善悪を超えた戦争の描写、多様で魅力的なキャラクターによる青春群像劇などの要素を取り入れたことで、多くのファンの熱狂を生み、後々のアニメに大きな影響を与えました。
ここで注目したいのが、リュウ・ホセイです。恰幅のよい大柄な体型に野太い声、浅黒い肌。ルックスは一見コワモテですが、温厚で面倒見がよい18歳の青年です。モビルスーツのパイロット候補生としてホワイトベースに乗船してからは、コア・ファイターやガンタンクの操縦者としてガンダムとともに戦いました。
特に重要だったのが、ホワイトベースのまとめ役としての役割です。艦長として指揮をとらなければいけなくなったブライトのサポートをしつつ、ブライトと同じ正規の軍人としての立場から、ガンダムのパイロットとして最前線で戦うアムロや、突然戦争に巻き込まれた形のカイ、ハヤトらを気遣ったり、叱咤したりしていました。
反目するブライトとアムロの仲介役を買って出るなど、若くて未熟な乗組員たちの不平不満を受け止める緩衝材的な役割を担っており、ホワイトベースの精神的支柱とでもいうべき存在だったと言えるでしょう。
リュウは第21話「激闘は憎しみ深く」でアムロとホワイトベースの絶体絶命のピンチに重傷の身で出撃し、壮絶な死を遂げます。リュウの死後、アムロ、ハヤトらの乗組員の悲しみは深く、とりわけ四つん這いになって号泣するブライトの姿は視聴者に衝撃を与えました。それほどまでにリュウは大きな存在だったのです。