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超名作『Ace Attorney』ってなに? ゲームソフトの英語版ローカライズに見る翻訳の妙

ゲームの海外版は、いわゆるローカライズの結果、現地の人にわかりやすいタイトルに変わっていることがあります。そうしたタイトルや呪文、専門用語など、ゲームにまつわるさまざまな翻訳の例を見てみましょう。

こんなにも違う? 海を渡った日本生まれのゲームタイトル!

英語版だと余計怖い気がする『Resident Evil 7 Biohazard Gold Edition』(Capcom)
英語版だと余計怖い気がする『Resident Evil 7 Biohazard Gold Edition』(Capcom)

「マリオ」や「ポケモン」をはじめ、日本発で海外でも広く流通するゲームタイトルは数あれど、いずれも現地にあわせた「ローカライズ」が施されます。時にはストーリーの内容に踏み込むような大きな変更も行われますが、そこまで大きくなくとも、セリフやメニューなど作中使用言語の翻訳も「ローカライズ」の範疇です。文化の違いなどに合わせてタイトルから変わる作品も珍しくありません。

 たとえば日本で広く知られるゲームシリーズが、海外では『Resident Evil』というタイトルに変わっています。これは『バイオハザード』の英語版で、一説には「Biohazard」というバンドが存在するから大きくタイトルを変えたとか。「Resident Evil」を直訳すると、「悪の住人」「居住する悪」といった意味合いになりますので、雰囲気は合っているような気もします。

 JRPGの礎を築いたゲーム『ドラゴンクエスト』は、海外では商標の関係で長らく『Dragon Warrior』の名称で発売されていました。のちに諸問題は解決し、日本と同じ『Dragon Quest』に変更されます。注目したいのがその独特なネーミングの「魔法の呪文」で、英語版初期作においては「ホイミ」が「Heal」、「ベホマズン」は「HealUsAll」、ルーラは「Return」と、オリジナルに比べ直接的でした。ただ近作になると、「Infernos(地獄の業火、といったニュアンス)」だった「バギ」が「Woosh(ヒューッと風音を立てて素早く動くイメージの、既存の擬音語。三省堂WORD-WISE-WEB 山口治彦『談話研究室にようこそ 第26回ドラクエ呪文を英訳すると』より)」になるなど、よりオリジナルに忠実なローカライズがなされています。

 続いてはカプコンから発売されている『Ace Attorney』です。「Ace」はスポーツなどで主力選手に使われているエースと同じ意味、そして「attorney」が弁護士や法律家を意味しています。あわせて直訳すると「弁護士のエース」となり、ここまでくれば『逆転裁判』と類推するのも難しくないでしょう。「逆転」も「裁判」も入っていませんが、大体のニュアンスは合っていますよね。

 もちろん主人公である成歩堂龍一のカッコいいセリフも翻訳されており、「異議あり」は「Objection」、「待った」は「Hold it」、「くらえ」は「Take that」となっています。SNSでは「英語版で遊ぶと名前とかジョークとか、日本語版との違いを楽しめてより一層良い」などの感想も見られ、楽しんでいるファンの様子がうかがえます。

【画像】確かに「なるほど」では通じないよな…実は名前が変わっている英語版「逆転裁判」シリーズでの成歩堂龍一(3枚)

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