「ザクとは違うのだよ」←言ってない? 小説版『機動戦士ガンダム』がTVアニメと違いすぎる件
シリーズ第1作目にあたる『機動戦士ガンダム』といえば、TVシリーズや再編集された劇場版のストーリーが広く知られています。しかし、監督の富野由悠季氏が自ら手がけた小説版では、アニメ版とは異なる展開や、より大人向けの描写を含んだ物語が描かれていました。
同じ舞台だけど、結末まで違う…?

人気シリーズの原点である初代『機動戦士ガンダム』は、地球連邦軍とジオン公国軍による「一年戦争」を描いたTVシリーズや劇場版三部作のストーリーが広く知られています。しかし、映像作品とは別に、監督の富野由悠季氏自身が執筆した小説版も存在し、アニメ版では一年戦争を生き延びていた主人公「アムロ・レイ」が小説版では戦死するなど、大きく異なる展開が描かれました。
例えば、TV版の第6話から第30話までは、アムロたちが乗艦する「ホワイトベース」(小説版では「ペガサス」)が地球に降下して各地を転戦しますが、小説では最後まで宇宙を舞台に戦い続けています。そのため、ジオン公国軍の将校「ランバ・ラル」の運命も大きく変化していました。
TV版でのラルはアムロと幾度も交戦し、ホワイトベース隊との戦いのなかで戦死しています。その生きざまはアムロの成長にも大きな影響を与えました。一方、小説版ではアムロと最後まで直接対決することはなく、ラル自身も戦後まで生き延びます。また、TV版では前線で戦う部隊長として描かれていましたが、小説版ではジオン公国軍総帥「ギレン・ザビ」の親衛隊長という立場で、モビルスーツ(MS)に搭乗して戦うことはありませんでした。
もちろん、TV版でラルが、自らの乗るジオン公国軍の陸戦用MS「グフ」と量産機「ザク」を比較して放った名セリフ「ザクとは違うのだよ、ザクとは!」も、小説版では登場していません。
また、小説版ではTV版では描かれなかったような大人向けの描写が多い点も特徴です。TVアニメでは抑えられていた男女関係の描写も盛り込まれており、アムロと戦艦「ペガサス」の乗組員「セイラ・マス」が性的関係を結ぶ場面も描かれていました。
そして作中では、思い人のアンダーヘアを「お守り」として持つ風習が描かれています。セイラからそれを受け取っていなかったアムロは、同じパイロット仲間の「カイ・シデン」らにからかわれる場面もありました。
その後、アムロはセイラに「お守り」をもらえないか持ちかけますが、セイラの消極的な態度もあって断られてしまいます。ジンクスとの関連は定かではないものの、冒頭でも触れた通り、アムロはその後の戦いで命を落としています。
さらに、アムロのライバルである「シャア・アズナブル」やジオン公国軍、ペガサス隊の運命もTV版とは大きく異なっており、続編『機動戦士Zガンダム』へはつながらない展開となっています。
TVシリーズでは、宇宙要塞「ア・バオア・クー」での決戦によって、ジオン公国を支配していた「ザビ家」が崩壊し、ジオン軍は敗北を迎えました。一方、小説版では、アムロが最後に放った思念を受け取ったペガサスのクルーたちがシャアと協力し、サイド3宙域にあるジオン公国の首都「ズム・シティ」へ進軍します。その後、シャアらによるクーデターが成功し、TV版とは異なる結末を迎えました。
ペガサス隊のメンバーの多くは、戦後にジオン側に協力する道を選び、新たな体制づくりに関わったとされています。その後は、新たなジオン共和国主導で講和条約が締結されており、TV版とは異なるジオン側優勢ともいえる結末を迎えました。
(LUIS FIELD)


