「被災者にゲームは不必要」ではない…災害を通して見直すNintendo Switchの強み
スイッチの長所は、スマホに勝る点も

●オフラインでも、ほとんどのゲームがプレイ可能
「スマホでもゲームを遊べるんだから、スマホだけで十分」──そうした意見も間違っていませんし、利便性が高いからといって無理にスイッチを購入する必要もないでしょう。ですが、スマホと比べてもスイッチが優位な要素があります。
スマホ自体はオフラインでも使えますが、ゲームを含むアプリは、オンライン接続を前提として作られているものが少なくありません。特に基本プレイ無料で遊べるゲームは、オンラインと繋がってないと遊べないものがほとんどです。
被災からしばらくは、中継局の故障や回線の混雑などで、オンラインの環境は良好とは言えなくなります。その状態では、スマホが使える機能には制限がかかりますし、緊急を要する回線使用が頻繁な時期は、不要不急のオンライン接続は控えた方がいいでしょう。
スイッチは、オンラインゲームやネットワークを介した多人数プレイなどにも対応していますが、大半のゲームはオンライン接続をしなくても楽しめます。スイッチ本体とこれまでに買ったゲーム、そして充電できる環境さえあれば、専用のTVやオンライン回線がなくともゲームプレイには何ら問題ありません。
もちろん、スマホでもオンライン接続不要で遊べるゲームはいくつもあるので、あらかじめ購入し、ダウンロードを済ませておくのもオススメです。
●スイッチなら、1台だけでもふたりで遊べる
携帯モード専用のNintendo Switch Liteには当てはまりませんが、そのほかのスイッチならマルチプレイしやすい点も魅力のひとつと言えます。
最近のゲーム機は、ひとつの本体にひとつのコントローラーという組み合わせが標準的です。そのため、仮に避難所でPS5などを遊べる環境が整っても、そこにある本体セットとは別に、もうひとつコントローラーを用意しないと、ローカルでの協力プレイもままなりません。オンライン経由のマルチプレイなら、さらにもう1台のPS5とTVも必要です。
その点、Lite以外のスイッチなら、Joy-Conを外すだけでふたり分のコントローラーを用意でき、すぐさまローカルマルチプレイを楽しめます。機器の追加なしで、1台あれば最大ふたりまで遊べるのも、スイッチならではの利便性です。
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環境が制限されやすい避難生活において、機器単体と電源供給だけで楽しめるスイッチは、ゲーム機のなかでは群を抜く手軽さを持ちます。被災者にとって、「手軽な娯楽」は非常に大事な存在です。もちろんスイッチだけに限定する必要はないものの、その有用性を再認識して損はありません。
なお、任天堂が発表した修理対応は、「令和6年能登半島地震により被災した製品に関する修理対応のお知らせ」(https://www.nintendo.co.jp/support/information/2024/0116.html)に詳細があります。対応希望の人はこちらに目を通し、案内にある依頼方法などをご確認ください。
(臥待)