ティファの意外な過去も…『FF7』前日譚小説で明かされた「原作ゲーム勢は知らない」事実
ティファの舞台は、ニブルヘイムからスラムへ

●スラムに着いた経緯と、彼女を縛る借金の重圧
ニブルヘイムの一件ですが、実はこの小説ではほとんど描かれていません。ゲーム内で詳しく描かれているので、こちらでは意図的に省いたのだと思われます。原作をプレイしている人なら、その狙いも予想がつくことでしょう。
ティファの回想は、神羅の調査隊が来た後、スラムの病院で目が覚める瞬間へと飛びます。ニブルヘイムの事件で重傷を負った彼女は、コレル村で緊急手術を行った後、スラムの医師「ダミーニ」のもとへ運ばれました。
重傷を負う経緯に神羅が関係しているため、本社の化学部門がティファの受け入れを認めたものの、ザンガンが強く反対。そして、弟子のひとり「ラケス」の母親であるダミーニが営むスラムの病院へと連れてきた、といった経緯も明かされます。ティファがなぜスラムに流れ着いたのか詳しい経緯が分かるのも、この小説の恩恵です。
同時に、ティファがそのままスラムに身を置くのか……いえ、置かざるを得なかったのか、その理由がここで明かされます。ダミーニがティファに行った施術は最新のもので、その治療費は膨大。村では父親が亡くなっており、ティファはその身ひとつで運ばれてきたため、治療費を払えるアテはどこにもありません。その結果、彼女は莫大な借金を背負い、分割での支払いが終わるまで、何年もスラムから出られないことが決まったのです。
●スラムで生きる日々と、本編に繋がる新たな出会い
提供された住居は最低限の作りで、家賃は1日15ギル、シャワーは別で1回3ギル。紹介された饅頭売りの仕事は、100個売ると60ギルをもらえるため、500個や1000個といった売り上げを目指し、その報酬を必要経費と借金返済に充て、残りは貯蓄する日々が始まります。
生活は苦しいものの、饅頭売りの仕事はやり甲斐があり、スラムで暮らす毎日は暗いだけではありません。病院を通じてマーレと知り合い、来店をきっかけにジェシーやビッグス、ウェッジとも縁を結びました。マーレは『FF7 リメイク』に登場したアパートの大家さん、3人は原作でもお馴染みのアバランチメンバーです。
特にジェシーとの出会いは、ティファに大きな影響を与えます。ティファの過去を知り、励ますジェシーに向かって「ジェシーが初めてここにきてくれた日から、私、孤独じゃないですよ」と告げるほど、その存在は大きなものになりました。
また、マーレやジェシーと縁で、酒場「セブンスヘブン」とも巡り合います。『FF7 リメイク』ではティファが看板娘として働いていましたが、この時は別の人物がオーナーを務めていました。後にティファは、この店を存続させるため、饅頭売りで何年もかけて貯めた16万ギルもの大金を費やします。
『Traces of Two Pasts』で彼女のこれまでを振り返ってみると、幼く甘酸っぱいひとときと少年たちの旅立ちで終わりを迎えた幼年期、師匠との出会いとザンガン流の体得、そしてニブルヘイムの事件で一変した人生と、急転直下な歩みだったことが分かります。
村で体操を教えていた彼女が、膨大な借金を背負ってスラムから離れられなくなり、幾年も饅頭を売り続け、セブンスヘブンを守るために16万ギルを投じる……これまでの半生、特にスラムに移ってからは、お金と深く関わる日々を送っていました。ゲームでしかティファを知らない人にとっては、意外な一面だったかもしれません。
* * *
小説ではこの先も続きがあり、バレットマリンとの出会い、ジェシーとの再会、持ち去られた16万ギルなど、さらなる展開がティファを待ち受けています。借金を含めた物語の顛末が知りたい人は、『Traces of Two Pasts』を直接読んで見届けましょう。
『Traces of Two Pasts』では、エアリスがスラムに辿(たど)り着き、そこでエルミナと過ごした日々も描かれています。リメイクシリーズを深く知るにはうってつけの一冊なので、興味が沸いたらご一読ください。
(臥待)







