開発中止、社員削減…ゲーム業界で「暗いニュース」が飛び交う背景
5タイトル以上の開発中止に、270億以上の大赤字の例も

そして、海外のみならず日本国内でも暗いニュースが目立っています。
バンダイナムコホールディングスは開発中だった5タイトル以上を開発中止し、DeNAは270億円以上の減損で赤字となっています。このほかにも、セガが『HYENAS』といったタイトルの開発を中止しており、ドリコムなど赤字となったモバイルゲーム開発会社が報告されています。
バンダイナムコは多数のタイトルをリリースしており、そのなかにはうまくいっていないと見られるものもいくつかあります。MMO RPG『BLUE PROTOCOL』は評判がいまいちさえず、『ガンダムエボリューション』は1年ほどでサービス終了となってしまいました。
また、バンダイナムコは大型新作タイトルリリースによる開発費・広告宣伝費の増加についても言及しており、開発の大規模化によって複数タイトルの制作が難しくなっているのもあるのでしょう。
なお、バンダイナムコグループは、2022年4月に全社員の月給引き上げを実施しています。平均月給は27%ほど上昇しているため、当然ながら人件費も増えているわけです。そのためにも利益を生み出す見込みがないタイトルは中止せざるを得ないと考えられます。
一方で、『鉄拳8』は1か月で世界累計出荷本数200万本を突破とヒットを記録しています。今後は好調なタイトル、あるいは売れそうなものに労力を集中していく流れになるのかもしれません。
さて、DeNAに関してはヒットタイトルが出ていないのが大きな要因だと考えられます。スマホ向けタイトルに関しても開発費の高騰が続いており、失敗すれば大きな赤字になってしまうでしょう。実際、DeNAのスマホ向けアプリゲーム『takt op. 運命は真紅き旋律の街を』は1年も経たずサービス終了となっています。
ゲーム開発はある種ギャンブルなところもあり、「あたり」が出ないことはどうしてもあるでしょう。現在はスマホ向けタイトルも、人気タイトルにユーザーが集中する傾向にあります。開発費が高騰すればするほど、あたりを出すのは難しくなるでしょう。
と思いきや、2024年2月27日にはスマホ版のポケモンカードゲーム『Pokemon Trading Card Game Pocket』が発表され、途端にDeNAの株価が急騰しました。ポケモンカードゲームは世界中で大人気ですし、スマホアプリは待望されていたものなので、ヒットの可能性は非常に高いです。
このようにヒット作(になりそうなタイトル)で急に流れが変わることがあるのもゲーム業界の特徴のひとつでしょう。
なお、このような業界再編は会社の方向性が変化するので、ゲーム作品そのものに影響を与える可能性も十二分にあります。確実に売れそうな作品に注力するような傾向が出たり、それを嫌って開発者が独立する可能性も考えられます。今のゲーム業界の変化は、未来のきざしとなるでしょう。
(すすだま)



