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昔はグレーゾーンだった「ゲーム実況」 現在の「大盛況」はどうして生まれた?

議論が分かれた「ゲーム実況」の是非

動画配信サイトで盛り上がり、ヒットとなった『スイカゲーム』
動画配信サイトで盛り上がり、ヒットとなった『スイカゲーム』

 ゲームを遊ぶだけではなく、「観る」文化として広がりつつあったゲーム実況ですが、それがゲーム業界に歓迎されていたかというと、必ずしもそうではありませんでした。ゲームの動画はゲームメーカーの著作物であり、これを無断でアップロードすることは、メーカーの権利を侵害することになります。

 ユーザーが盛り上がって宣伝になるという理由から、メーカーが黙認する場合もありましたが、ゲームのネタバレを危惧したり、ゲーム体験が毀損(きそん)されることを恐れる意見も根強くありました。

 大きく流れが変わったのは、2013年ごろからのゲームハードメーカーの動きです。海外で先行して発売されたPlayStation 4は「シェアボタン」を搭載し、ハード自体にゲームを配信する機能が備わっています。この機能にはメーカーによる「配信禁止区間」の設定があり、ネタばれなどを危惧するメーカー側が、配信できる部分とできない部分をコントロールできるようになりました。

 また、2014年には任天堂がYouTube、ニコニコ動画などの動画配信サイトとの提携を告知していく動きがありました。国内ゲーム業界の慣習として、任天堂の動向はサードパーティーに大きな影響があり、任天堂ハードにおけるゲーム配信の推進に大きなインパクトを与えます。

「新型コロナ」を経て「新作が売れる特急券」に

 メーカーの著作権を侵害しているものの、黙認されているうちは大きな問題にはならないだろう……という、微妙な立ち位置にあったゲーム実況でしたが、各メーカーガイドラインを公表したことで、誰でも安心して実施できるものへと変わっていきます。その後、「にじさんじ」や「ホロライブ」などのVTuberがゲーム実況を始めたことも、人気に拍車をかけました。

 さらに2020年、「コロナ禍」が訪れます。新型コロナウィルスは社会に大きな衝撃を与え、自宅で過ごす時間が増えた時期でした。その影響から、動画配信サイトが賑わい、ゲーム実況を行う人も増えていきます。それまでそれほど多くなかった芸能人によるゲーム実況なども増えていきます。

 昨年は、『スイカゲーム』『8番出口』といったタイトルがゲーム実況で盛り上がり、それを足がかりにヒットしました。面白そうなゲーム、ちょっと変わったゲームには、飛びつくように配信者がゲーム実況をし、そして動画配信サイトで盛り上がる……こうした流れ場、新規タイトルが売れる道筋をつくる特急券となっています。

 ゲーム実況の歴史はたった20年ほどの、とても新しい文化です。これから先も、さまざまなアイデアや議論が交差しながら発展していくことになるでしょう。

(田下広夢)

【画像】え…っ? 「楽しそうでかわいい」「さらに好きになった」これがゲーム実況バリバリやっていた4年前の本田翼さんです(7枚)

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