「ガンタムのビームライフルは戦艦主砲に匹敵」…ならば「戦艦の主砲」の存在意義は?
戦艦の装甲がずいぶんと弱い理由もこのあたりに…?

これにより、もうひとつの疑問点が説明できるように感じます。『ガンダム』における宇宙艦艇は打たれ弱い存在、という点です。
マゼラン級戦艦を沈めたMS「ジオング」のビーム砲がガンダムに命中した際には、「ガンダムシールドと左腕」を吹き飛ばすにとどまりました。つまりマゼラン級戦艦の装甲は、ガンダムシールドと同等かそれ以下の防御しかできていない、ということになります。これほどの「弱装甲」には、なにかしら合理的理由があるはずです。
繰り返しますが、ジオングはマゼラン級戦艦を撃沈していますから、マゼラン級戦艦はガンダムシールドより防御力がないことになるわけです。これは「MSで攻撃されることを想定していなかった」からでしょう。遠距離砲撃戦であれば、メガ粒子砲の威力は減衰し、ミノフスキー粒子散布やビーム攪乱幕の展開で減衰を加速することもできます。砲撃戦で不利になればそのように対処すればいい、と割り切った設計なのではないでしょうか。
考えてみれば、マゼラン級などの地球連邦軍宇宙艦艇は、ジオン公国の軍拡に対応すべく、宇宙世紀0070年代に急きょ整備されたものです。当然、コストダウンは求められたでしょうし、それまで戦争は一度もなかったわけですから、実戦経験もありません。結果として「張り子のトラ」のような艦艇が大量建造された、ということでしょう。
逆に「ホワイトベース」は打たれ強さを発揮しています。これはMS搭載艦としてある程度、近距離から攻撃を受けることも想定し、コストをかけて重防御にしていたのでしょう。
ちなみに『機動戦士Zガンダム』以降は、ビーム兵器でも「シールドで受けて、軽度のダメージ」という描写が増えます。宇宙艦艇も耐ビームコーティングがされていて、『機動戦士ガンダム』の時ほどは沈まないのでしょう。
『Z』の最終決戦で、戦艦「ラーディッシュ」が意図して前進しMS「ガンダムMk-II」をかばったことで撃沈されていますが、逆に距離を保っていればMSのビームライフル程度の火力は減衰するので、それほど脅威ではないということだと思います。だから弾幕やMSの配置で「近づかせない」防御戦術が重要になっているのだと考える次第です。
(安藤昌季)



