『ドラクエ12』開発中止はあり得る? ファンの不安は「杞憂」に終わる可能性
「ドラクエ」2作品の開発が中止される可能性は?

ファンが待ち焦がれている『ドラクエ12』と『HD-2D版 ドラクエ3』は、開発が中止されたのか否か。現時点で正式な発表はないため、「続行」とも「中止」とも断言はできない状況です。
しかし、新中期経営計画に記された開発中止の補足書きを見ると、「今回減損の対象コンテンツは2027年3月期以降に発表予定のタイトルが多く、本中期経営計画期間におけるPLに与えるインパクトは僅少」とあります。つまり、開発を中止したタイトルの多くは未発表のもので、発表済みで開発中止になったタイトルはごくわずかと見てよさそうです。
「わずかでも中止の可能性はある」と言われれば、確かにゼロとまでは断言できません。しかし、「ドラクエ」シリーズはいまもファンが多く、現時点のナンバリング最新作である『ドラクエ11』『同11S』は、2020年9月時点で全世界での販売本数(パッケージ+DL)が600万本を突破しました。これだけ売れているナンバリングシリーズは、スクウェア・エニックスの作品全体を見てもなかなかありません。
近作に確かな実績があり、リリースを待ち望むファンも多い「ドラクエ」シリーズの発表済みタイトルを中止にすれば、反発の大きさもかなりのものとなるでしょう。そのリスクひとつ取ってみても、中止という判断は下しにくいように思います。
加えて、「ドラクエ」ナンバリング作品の中核を担うすぎやまこういち氏と鳥山明氏が、『ドラクエ12』開発期間中に惜しくも亡くなられました。この両名が関わった最後の「ドラクエ」となればファンの熱量もより一層大きくなるので、二重の意味で『ドラクエ12』の開発中止は考えにくいところです。
また『HD-2D版 ドラクエ3』の開発中止も、可能性は低いと見ています。HD-2Dを用いた作品は、第1弾となった『オクトパストラベラー』やその続編、タクティクスRPGの『トライアングルストラテジー』などが、見事ミリオンヒットを記録しました。
HD-2D作品をユーザーの多くが高く評価しており、この手法で『ドラクエ3』を描くという挑戦も好意的に受け止めています。そこにオリジナル版のファンが加わり、広く期待を集める『HD-2D版 ドラクエ3』も商業的に十分勝算はあるでしょうから、中止は非常にリスクが高いように感じます。
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いずれもあくまで予想に過ぎませんが、過去作の実績や作品を取り巻く状況、反響の大きさを踏まえると、両作品ともよほどの事情がない限り開発が中止されるとは考えにくいところです。
とはいえ、正式な発表がなければ不安になるのも当然でしょう。『ドラクエ12』や『HD-2D版 ドラクエ3』の続報が、少しでも早く訪れることを願うばかりです。当面の狙い目は、「ドラゴンクエストの日」に認定されている5月27日。まずはこのタイミングで動きがあるか、注目しましょう。
『ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎』:
(C)2021 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
『HD-2D版 ドラゴンクエストIII』:
(C)1988, 2021 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
(臥待)