死んだと思ってたのに…人気キャラの復活に賛否両論 「シラけた」「なぜ再登場させた」
バトルマンガで、一度は倒れたキャラクターがのちに復活するのは珍しくありません。ところが、復活したものの、読者からは喜ぶ声とガッカリする声、両方があがることもあります。死亡したと思っていたキャラの「復活劇」で、賛否両論となった例を振り返ります。
せっかく復活したのに、読者は「ガッカリ」?

人気キャラクターの作中での死は、読者に強い衝撃を与えます。なんとかして「復活」してくれないか、と願う声があがることも少なくありません。しかし、いざ復活すると喜ぶ声が出る一方で「なんで復活させたの?」と疑問に思う声が出る例もあります。人気キャラの復活劇が賛否を巻き起こしたマンガを振り返ります。
●『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』アバン先生
『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』では、主人公「ダイ」や「ポップ」たちの師匠である「アバン先生」の復活が賛否両論を巻き起こしました。アバン先生は物語の序盤で、魔王「ハドラー」からダイとポップを守るために、命と引き換えにする呪文「メガンテ」を使い、死んだと思われていました。しかし、カール王国の女王「フローラ」からの贈り物である「カールのまもり」が身代わりとなって、アバン先生の命は助かり、復活へとつながったのです。
この復活劇には裏話があり、マンガ原作者の三条陸先生がゲスト出演した2023年5月26日放送のABEMA番組『声優と夜あそび 金【関智一×岡本信彦】#6』において、その真相が語られました。三条先生によると、本作の連載が2年以上になり、大魔王バーンの強さが増したため、アバン先生がいないと勝てないと思い、蘇らせることしたそうです。
アバン先生の復活には、「復活のタイミングが素晴らしい」「うれしすぎて言葉にならない」といった喜びの声があがる一方で、「死んだと思ったキャラだったからシラケた」「うれしいというよりただ困惑した」と受け入れられないという意見も見られました。
●『幽☆遊☆白書』幻海
続いて、『幽☆遊☆白書』の主人公「浦飯幽助」の師匠である「幻海」の復活劇です。幻海は幽助に「霊光玉」を継承し、体力も霊力も低下していました。その状態で、暗黒武術会決勝戦直前に強さに目がくらんでしまった「戸愚呂弟」と戦い、戦死します。無謀に思えましたが、友達以上恋人未満の関係であった戸愚呂弟の目を覚ますため、戦ったのです。
幻海は死亡しましたが、浦飯チームは優勝を勝ち取ります。そして、優勝の褒美として得た、願いをひとつ叶えてもらえる権利として幻海の復活を望み、彼女は生き返ります。
実はこの裏では、幻海を倒した戸愚呂弟が、浦飯チームの願いは「幻海の復活」だろうと予想し、幽助の上司である「コエンマ」に幻海の亡骸を保存しておくように頼んでいるエピソードがありました。このことから、戸愚呂弟も幻海の死を望んでいたわけではないことがうかがえます。
冷凍保存後から、生き返るまでの過程は描かれていませんが、大会後の帰り道で幽助と幻海が再会している描写があります。
この復活劇に否定的な声はあまりありませんが、「幻海と戸愚呂弟が両想いで、こんなにすれ違うなんてつらすぎ」と悲しむ声や、「霊光玉を継承する前の状態に戻ったのか、復活後の幻海が強すぎてびっくり」と、復活後の強さに驚く声があがっていました。
●『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』モハメド・アヴドゥル
『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』に登場する「モハメド・アヴドゥル」は、復活後も何度も仲間を救ったキャラクターです。アヴドゥルは主人公「空条承太郎」たちと一緒にエジプトに向かい、仲間である「ポルナレフ」を救うためにインドで「J・ガイル」や「ホル・ホース」と戦います。その際、ポルナレフを助けましたが、ホル・ホースの「皇帝(エンペラー)」の銃弾が頭に当たり、死んだものと思われました。
しかし、銃弾はアヴドゥルの頭を打ち抜いていませんでした。J・ガイルのスタンド「ハングドマン」の攻撃によって態勢が崩れていたために、皮膚と頭蓋骨を少し削り取られていだけで、死をまぬがれていたのです。こうしてアヴドゥルは、死亡したと見せかけている間に潜水艦などを調達し、「カメオ」との戦いに参加します。
この戦闘は、「妹とアヴドゥルを生き返らせてほしい」とカメオのスタンドに願ったポルナレフがだまされて、ふたりの見た目をした土人形に襲われたことがきっかけでした。このときも、アヴドゥルはポルナレフを救っています。
2度ポルナレフを救ったアヴドゥルですが、最終決戦前に「ヴァニラ・アイス」から攻撃を受け、ポルナレフと「イギー」を救うために犠牲になりました。
最初に復活した際には「泣くくらいうれしい復活劇」「推しキャラの復活は激熱展開過ぎた」と称賛の声があがりましたが、再び死んでしまったときには「復活後に死ぬなら何で復活させた?」「せっかく復活したのに死ぬの早すぎ」といった声がありました。
(LUIS FIELD)