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目を疑う衝撃! 驚きの変身を遂げた昭和アニメの主人公3選

アニメ作品では、さまざまな事情によって主人公のキャラクターデザインが大きく変わってしまうことがあります。同一人物とは思えないほど変わってしまった彼らに、いったい何が起きたのでしょうか。

我々が知っている、イモっぽい「星野鉄郎」は何処に?

画像は「ANIMEX1200シリーズ [2] 組曲 銀河鉄道999」CDジャケット(日本コロムビア) (C)松本零士/零時社・東映アニメーション
画像は「ANIMEX1200シリーズ [2] 組曲 銀河鉄道999」CDジャケット(日本コロムビア) (C)松本零士/零時社・東映アニメーション

 基本的にキャラクターのビジュアルは作品のイメージにもつながるため、そこまで大きく変わらないという印象があります。ましてや主人公ともなればなおさらでしょう。しかし、そうした予想を大きく裏切り、別人級に見た目が変わった主人公も存在します。

 代表的なのが『蒼き流星SPTレイズナー』の主人公「アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ」です。1985年に放送された本作は、地球人と異星人「グラドス」の戦いを描いたSFロボットアニメで、物語の前半と後半で作風が大きく変わることで知られています。

 第1部は地球に侵攻したグラドス軍に、エイジが「レイズナー」で突っ込んでいくところで幕を閉じました。しかし、第2部では一転して3年後の地球が舞台に変わります。世界はグラドス軍に征服され、まるで『北斗の拳』のような荒くれ者が闊歩する世紀末の様相になっていました。

 そして何より驚かされたのが、主人公の変わりようです。地球人とグラドス人の混血児であるエイジは、もともと同胞と殺し合うことに思い悩むナイーブな少年でした。ところが第2部では髪をばっさり切り、武装したグラドス兵たちをトンファー術でなぎ倒していく筋骨隆々な青年へと成長しています。まさに『北斗の拳』に出てきてもおかしくない出で立ちで、かつての面影はほとんど残っていませんでした。

 松本零士先生による不朽の名作『銀河鉄道999』も、主人公のビジュアルがガラリと変わった作品のひとつです。本作の場合は、1978年から1981年にかけて放送されていたTVアニメと1979年に上映された劇場版で、主人公である「星野鉄郎」のビジュアルが大きく変化していました。

 TVアニメ版の鉄郎といえば、大きなダンゴ鼻に小さな目が特徴的な男の子です。お世辞にもかっこいいとはいえない顔つきで、作中でも「ジャガイモのような顔」と評されていました。ところが劇場版では、我々の知っている鉄郎とは似ても似つかない、精悍な顔つきへと変わっています。

 鉄郎のイケメン化には当時多くの人が驚いたと思いますが、実はこれには明確な意図がちゃんとありました。まずTV版の鉄郎は10歳の少年だったのに対し、劇場版では15歳に年齢が引き上げられています。その理由については、どうやら本作のヒロイン「メーテル」との恋仲のニュアンスを狙っていたようで、彼女と目線を近づけるためにも鉄郎を成長させる必要があったそうです。

 そのほか「ゲッターロボ」シリーズの「流竜馬」も、別人級に見た目が変わった主人公として知られています。1974年に放送された初代TVアニメ版では、高校サッカー部のキャプテンで、真面目で責任感もあるという優等生キャラでした。見た目も優しげなお兄さんといった印象です。

 ところが後続のアニメ作品では、凶悪顔で荒々しい性格として描かれることが多く、特にOVA『真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日』に登場する竜馬は、TV版とは似ても似つかない風体でした。

 実は『ゲッターロボ』という作品は、企画段階からメディアミックス作品として作られており、初代のTVアニメとほぼ同時期にマンガ版の連載がスタートしています。そしてマンガ版の竜馬は、『真 ゲッターロボ』に近い人物像で描かれていました。

『ゲッターロボ』は現在に至るまで多彩なメディアで展開されていますが、それらに登場する竜馬の多くがマンガ版の彼を原型としているようです。どちらかというと、TV版の優等生的な竜馬の方が異端だったようですね。

(ハララ書房)

【画像】愛嬌ある「ジャガイモ顔」はドコ行った? こちらが15歳になってイケメン化した『銀河鉄道999』鉄郎です

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