不朽の名作『じゃりン子チエ』 アニメ版と全然違った原作マンガの結末とは?
2026年で放送45周年を迎える不朽の名作『じゃりン子チエ』。感動の劇場版、日常を貫いたアニメ版、そしてキャラが大集結した原作マンガ。ファンを魅了した三者三様のラストシーンを詳しく解説します。
懐かしアニメの「最後」とは?

はるき悦巳先生によるマンガを原作にしたアニメ『じゃりン子チエ』は、2026年でTV放送45周年の節目を迎えます。本作は、大阪の下町を舞台にした人情コメディで、小学生の主人公「チエ」の飲酒や父「テツ」の暴力的な振る舞いなど、今の時代では驚くような描写もあるものの、下町で生きる人びとのたくましさや温かさが人気を集めました。
本作は劇場版を経て2度アニメ化されており、物語の締めくくり方にも作品らしさが表れています。劇場版とアニメ版、原作マンガでは、それぞれどのようなラストを迎えたのでしょうか。
●シリーズ出発点となった劇場版
高畑勲さんが監督を務めた1981年公開の劇場版は、シリーズの原点にあたるエピソードを軸に、チエ一家の関係性に焦点を当てた物語が描かれました。
作中では、家出をしていたチエの母「ヨシ江」が戻り、チエとテツの3人で遊園地へ出かけ、家族の再出発を感じさせる展開となりました。帰りの電車で、眠るチエを見ながらヨシ江が涙を流す場面は印象的で、多くの観客の心を打ったシーンとして語られています。
また本作では、猫たちのやり取りも印象的でした。物語後半では、猫の「小鉄」と作中で亡くなる猫「アントニオ」の息子「ジュニア」との決闘が描かれました。アントニオの死には小鉄もその一端を担っており、自責の念から復讐心に燃えるジュニアの攻撃を黙って受け止めます。ボロボロになりながら攻撃に耐える小鉄の姿は、当時、多くの人の心を揺さぶりました。
その後、小鉄とジュニアは和解し、温かな日常に戻ります。チエにとっても、ささやかな幸せがにじむ余韻を残し、物語は幕を閉じてました。
ちなみに、チエ役にタレントの中山千夏さん、テツ役に漫才師の西川のりおさんなど関西ゆかりの芸人が声優として起用され、そのハマり具合も高く評価されています。
●「らしさ」忘れずドタバタ劇で終了
劇場版公開後、本作は2度TVアニメ化されました。1981年放送の第1期は序盤こそ原作や劇場版の内容を踏襲した導入となっていますが、中盤以降は原作エピソードをベースにしつつ、時系列にとらわれない構成で物語が展開されます。
第1期の最終話「最終回とはいうものの…」では、応援団の学生と揉めたテツが「応援団長」と喧嘩騒ぎを起こします。騒動は大きく発展しかけますが、最終的にはヨシ江が一喝する形で収まりました。そして、場面は神社の縁日へと移り、チエをはじめおなじみの面々が思い思いに過ごす姿が描かれます。日常がこれからも続いていくことを感じさせる余韻を残し、物語は静かに締めくくられました。
その後放送された第2期も、前シリーズ同様に原作エピソードを柔軟に再構成した内容となっています。最終話「アントニオが盗まれた」は原作第291話にあたるエピソードで、虎の掛け軸やアントニオの剥製が盗まれる騒動をきっかけに、チエやテツたちが犯人捜索に奔走する物語が描かれました。
最終回らしい劇的な展開ではなく、最後までドタバタとした日常劇を貫いた終わり方で、『じゃりン子チエ』らしさを残しています。




