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「元男性」が語る、女性の髪はなぜいい匂い? 考えさせられる「実録マンガ」3選

映像でもテキストでも、実際の出来事をつづったノンフィクションには、独特のすごみを感じます。文字通りリアルな出来事や当時の思いを追体験できるだけでなく、自分ならどうするだろうと思いをめぐらせることもあるでしょう。その身に起きた転機が描かれ、思わず引き込まれてしまう3冊の「実録マンガ」をご紹介します。

マンガならではの表現で描かれる、当事者の「実録ドラマ」

 世間にある常識や、何気なく送っている日常。あまりに当たり前すぎて、毎日には大きな変化がなく、ただ過ぎていくものと思ってしまいます。しかしその当たり前は、実は決して不変のものではないということに、気付かされるタイミングが訪れます。

 起こらなそうに見えて、実は自分や身近にいつ起きてもおかしくないこと。そんな「まさか」に出くわした人々の心境がリアルに読み取れるのが、体験がベースとなっている「実録マンガ」の魅力です。数ある実録マンガのなかから、性転換、震災、交通事故に関する3冊をピックアップしました。 

●性をまじめに楽しく学べる『性転換から知る保健体育 ~元男が男女の違いについて語る件~』

著:小西真冬『性転換から知る保健体育 ~元男が男女の違いについて語る件~』(KADOKAWA)
著:小西真冬『性転換から知る保健体育 ~元男が男女の違いについて語る件~』(KADOKAWA)

 作者の小西真冬先生は、トランスジェンダーで性別適合手術を受け、男性から女性に性転換をしました。男性だった時、自分の性を理解してくれた17歳年上の女性と結婚。マンガでは10代から抱えていた性への悩みから、実際に性転換をしたことでわかった「男女の違い」を赤裸々に描いています。

 ……こう書くといかにも勉強的で重々しいのですが、ライトなテイストでスイスイ読めます。それでいて「男女の違い」「性転換したからこその感覚」には、「へー!」と思わされることばかり。女性の髪はなぜいい匂いなのかとか、ジェットコースターで下腹部がキュッとなる感覚の正体とか。なんとなく実感はあるけれど、今まで気に留めていなかったことを、男性も女性も経験した真冬先生が教えてくれます。

 名作パロディなタッチも散りばめられていて、「次回はどんなネタで来るんだろう?」とページをめくる楽しさもある作品です。

●ニュースでよく聞く「頭を強打」の先にある世界『交通事故で頭を強打したらどうなるか?』

著:大和ハジメ『交通事故で頭を強打したらどうなるか?』(KADOKAWA)
著:大和ハジメ『交通事故で頭を強打したらどうなるか?』(KADOKAWA)

「頭を強く打ち、病院に搬送されましたが意識不明の重体です」。交通事故のニュースでよく目にするわけですが、私たちのほとんどは、被害者の「その後」を知りません。その様子を描いたのが、大和ハジメ先生の『交通事故で頭を強打したらどうなるか?』です。

 トラックと衝突し、頭を強打したハジメ先生。彼は脳挫傷と診断され、約1か月もの間、眠ったような日々を過ごします。周りからの呼びかけに、少しずつ応えられるようになる彼。目を覚ました後も、彼は脳への重大なダメージによる非情な現実と、向き合うこととなります。

 自分は覚えていない行動、重い後遺症、今までと同じはずなのに全く姿を変えてしまった社会。彼におし寄せる厳しい現実の数々は、読者に人生やハンディキャップとの向き合い方など、向き合うべき疑問を投げかけます。

【画像】他人事ではないかもしれない…潰瘍性大腸炎の闘病マンガ

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