最終回←全員死にました 衝撃の「全滅エンド」を迎えた昭和の名作3選
数十億の尊い命が犠牲に…アニメ史上まれに見る「鬱エンド」
同じく1980年代のロボットアニメ『宇宙戦士バルディオス』も、視聴者に大きなトラウマを刻み込んだ「全滅エンド」作品のひとつです。
物語が始まるきっかけは、惑星「S-1星」で起きます。環境破壊によって社会の維持が危ぶまれるレベルで荒廃していた「S-1星」では、科学力によって環境を元に戻そうという科学者グループと、軍事力で他惑星を侵略しようという軍部が対立していました。
そんななか軍部が皇帝を暗殺し、科学者「レイガン博士」の息子である「マリン・レイガン」にその罪を着せてしまいます。亜空間を飛んで地球に逃げ延びてきたマリンは、亜空間戦闘機「パルサバーン」を巨大ロボット「バルディオス」へと改造し、S-1星人によって構成された地球侵略軍「アルデバロン軍」と戦うことを決心するのでした。
やがてアルデバロン軍は最後の手段として、北極と南極の氷を溶かして世界中の陸地を海に沈めようとします。しかもこの作戦は完遂されてしまい、沈みゆく人びとをバックに「完」という文字が映し出されて物語は幕を閉じるのです。30億人以上の人びとが犠牲となった、壮絶な結末でした。
ちなみに同作は、当初全39話を予定されていましたが、諸般の事情から第31話をもって打ち切りとなってしまいました。のちに制作された劇場版では、マリンたちが亜空間航行の際に誤ってタイムスリップし、「S-1星」とははるか未来の地球そのものだったという設定が明らかとなっています。
(ハララ書房)