漫画原作者・小池一夫氏の一周忌 高橋留美子、堀井雄二…教え子がエンタメ界を席巻
2020年4月17日は、漫画原作者・小池一夫氏の一周忌です。『子連れ狼』(画: 小島剛夕)や『クライング フリーマン』(画: 池上遼一)など膨大な数の作品を執筆するかたわら、多くの後進を育成し、日本のマンガ、ゲームに強い影響を与えました。
あまりにも大きかった小池一夫氏の影響

2019年4月17日にマンガ原作者の小池一夫氏が83歳で亡くなり、一周忌を迎えます。『子連れ狼』(画: 小島剛夕)や『クライング フリーマン』(画: 池上遼一)など膨大な数の作品を執筆するかたわら、「小池一夫劇画村塾」を設立し漫画家の高橋留美子氏や原哲夫氏、板垣恵介氏、山口貴由氏、ゲームデザイナーの堀井雄二氏やさくまあきら氏など多くの後進を育成。日本のマンガ、ゲームに強い影響を与えました。最初に小池一夫氏の存在を意識したのがOVA版の『クライング フリーマン』だったライターの早川清一朗さんが追悼します。
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中学から高校の頃、よく友人と一緒にレンタルビデオ店に行き、めぼしい作品を借りてみんなで見るという休日を過ごしていました。そのとき、たまたま見たのが『クライング フリーマン』でした。
誰が借りようと言い出したのかもうまったく覚えていませんが、それまで見ていた少年マンガとは一味違うバイオレンス&エロスに目が釘付けになっていたような気がします。『北斗の拳』にレイがマミヤの服を切り刻むシーンがありますが、それの年長向けバージョンのような感覚を覚えたのです。後に原作者の小池一夫氏が、『北斗の拳』の作画を担当した原哲夫氏の師匠だったことを知り、なるほどと納得した記憶があります。
その後、特に小池一夫氏を意識することはなく数年が経過した頃、筆者がたまり場にしていた友人宅を訪れたところ、本棚に『子連れ狼』や『乾いて候』の文庫版が追加されていました。原作者には、小池一夫氏の名が刻まれており、「あ、この作品って小池一夫さんが原作なんだ!」と驚いた覚えがあります。これらの作品は筆者が幼少の頃にドラマ化されており、当然何度も見ていたのですが、原作者が誰なのかまったく気にしてはいませんでした。この時初めて、筆者は自分の子供の頃からの記憶に、小池一夫氏の作品群が刻み込まれていることに気付かされたのです。