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「人間はいいけど動物はやめて」「可愛い分トラウマもエグい」 衝撃のアニメ映画

毎年、多くのアニメ映画が制作され、なかにはゾッとするような描写や心をえぐる描写があった作品もありました。

徐々に追い詰めてくる狂気がトラウマに

「ハッピー フィート」DVD(ワーナー・ホーム・ビデオ)
「ハッピー フィート」DVD(ワーナー・ホーム・ビデオ)

 これまで数々のアニメ映画が制作され、名作、感動作が世に送り出されてきました。なかには、特に年齢制限などはないものの、観客から「トラウマになった」と言われる、意外な衝撃作もありました。

 一見かわいらしいアニメ映画にしか見えない、2006年の『ハッピー フィート』には、かなりのトラウマ級シーンが描かれています。監督は「マッドマックス」シリーズのジョージ・ミラーさんで、本作はある意味『マッドマックス』よりシビアな内容かもしれません。

 歌がすべてのペンギンの国に生まれた主人公のコウテイペンギン「マンブル」は、タップダンスが得意ですが音痴で、群れから疎まれます。そんなはぐれ者のマンブルは、国の魚不足の原因が人間であると突き止めますが、途中で捕まって水族館に収容されてしまいました。

 マンブルが何もしなくとも餌を与えられる状況で無気力になり、家族や好きな子の幻影を見て壁に激突するつらい描写には、「これは子供が見たらトラウマになる」「かわいいペンギンがひどい目に遭うのは人間の鬱映画よりつらい」「水族館のシーンは、食べ物は手に入れたけど大切なものを失った感じがつらい」との声が出ています。また、序盤の「チェイス」シーンは、さすが『マッドマックス』の監督というべきスピード感ですが、追ってくる「ヒョウアザラシ」のデザインが恐ろしく、こちらもトラウマになった方が多いようです。

 そのほか、1995年公開の大友克洋さんの短編3作を原作とする『MEMORIES』のなかでも、最初の「彼女の想いで…」はトラウマになったという声が多く出ています。

 宇宙船で救難信号を受け取った、ハインツと乗組員の「ミゲル」はその相手を救出に向かいます。遭難船のなかにはかつての栄光の面影を感じる豪華な居住ルームと、オペラ界に名を馳せた女優「エヴァ」の思い出が残されていました。そして、ミゲルは船のなかではたびたび再現されるエヴァの思い出に捕らわれていき、ハインツも自身のトラウマを掘り起こされていくのです。

 おちゃらけ者だったミゲルが正気を失っていくさまや、エヴァの幻影が娘を失ったハインツの記憶を利用して捕えようとするシーンには、狂気めいた執念を感じます。また、後味の悪い終わり方もトラウマポイントです。

 そのほか、同題の児童書を原作とする1999年公開の『ハッピーバースデー 命かがやく瞬間』も、悲劇的な場面が描かれています。

 主人公「あすか」は母から生まれなければよかったと思うほどの精神的虐待を受け、声を失ってしまいました。祖父母のもとで心を癒やし、その後、いじめや友人の死などつらい出来事を経て、彼女はやがて自分が生まれたことを祝えるようになります。

 感動的なラストが待ち受けていますが、母親があすかのことを「産まなきゃよかった」というシーンには、心を痛めた視聴者も多いでしょう。しかし、実は母親も幼少期に孤独を抱えたアダルトチルドレンだったのです。

 深刻なテーマを扱う本作は、「あすかが精神的虐待で母親に追い込まれるシーンで涙が出る」「学校行事で観せられたトラウマ映画」「いじめや虐待の連鎖が丁寧に描かれている」と、さまざまな人の心に残ったようです。

(LUIS FIELD)

【画像】え…っ? 『ハッピーフィート』のチェイスシーンはみんなのトラウマ? こちらが「ペンギンを捕食する寸前」のヒョウアザラシです

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