『ドラクエ』トラウマすぎて修正不可避? リメイク版で改変されたイベント3選
名作ゲームをリメイクする際、すべての要素をそのまま再現するのは簡単なことではありません。「ドラゴンクエスト」シリーズにおいても、プレイヤーにトラウマを植え付けたイベントがいくつも修正されてきました。
修正せざるを得なかった?「ドラクエ」シリーズのオリジナル版

HD-2Dの美麗グラフィックに進化したリメイク作『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』では、主人公の父である「オルテガ」に関するエピソードが新たに追加されるなど、多数の改変要素がありました。
リメイク作において、どんな追加要素があるかは注目ポイントのひとつです。「ドラクエ」シリーズでは、「トラウマ過ぎて改変せざるを得なかった」要素もあるのをご存じでしょうか。
●エサを無理やり…… 屈指の胸糞エピソード
PlayStation 2用ソフトとして発売された『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』は旅の道中、行く先々で犠牲者が出る重いシナリオで知られています。そのなかでも1、2を争うエピソードは、「リブルアーチ」にある大魔術師「ハワード」の屋敷で起こるイベントでしょう。召使いの「チェルス」にいつもきつく当たっているハワードですが、とくに飼い犬「レオパルド」のエサやりを命じるシーンは作中トップクラスの不快さでした。
オリジナル版では、ハワードが「エサに毒が入っている」と難癖をつけ、チェルスに毒味をするよう命じます。しかも四つん這いで、犬と同じようにエサを食べろと強制するのです。それを見てハワードは高笑い。チェルスには何の落ち度もない点も含めて、目も当てられない光景でした。
ニンテンドー3DSでのリメイク版では、四つん這いのシーンがカットされました。チェルスがレオパルドにエサをやるのが遅れ、それをハワードが叱責するといったシンプルな演出に変更されています。
●ラスボス討伐より高難度の石版集め
PlayStation用ソフトとして発売された『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』では、新しいマップを開放するために「石版」が必須アイテムでした。オリジナル版ではこの石版を集めることが、ゲーム最大の難所だったと言っても過言ではありません。
人からもらう、宝箱から見つける、モンスターが落とすなど入手方法はさまざまで、しかも過去と現代の各所に石版があり、広すぎる捜索範囲もプレイヤーを苦しめました。入手場所のヒントをくれる占い師がいるにはいたのですが、不便な場所におり、あいまいなヒントしかくれません。石版を見つけられずに何時間もさまよい、結果的に挫折してしまった人も多かったのではないでしょうか。
こうしたわずらわしさを省くべく、リメイク版では「石版レーダー」で石版を探知できるようになりました。また移動の拠点となる場所に石板案内人が登場し、分かりやすいヒントをくれたり、石版をはめる石柱までワープさせてくれたりと、非常に便利になったのです。
ただ、リメイク版にはほかにも追加要素が多くあるため、石版が見つけやすくなったところでクリア時間はオリジナルとそう変わらないとの話も……。シリーズ屈指のボリュームと人間味あふれるストーリーを堪能できるとして、リメイク版は今でも根強い人気を誇っています。
●1番悲しいぱふぱふ
「ドラクエ」シリーズにおいて、もっとも改変率が高いのが「ぱふぱふ」関連のイベントです。なかでもオリジナルであるファミコン版の『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』は発生条件が分かりにくいうえ、ぱふぱふ後の仕打ちも手痛いものでした。
ぱふぱふしてくれるキャラは「ルプガナ」の教会裏にいるのですが、ただ話しかけてもイベントは起こりません。「ムーンブルクの王女」を死なせ、棺桶状態にすることで、「ぱふぱふ しない?」という会話を引き出すことができます。
しかし、ぱふぱふはしてもらえるものの、残念ながら相手は男性というオチ。しかも強制的に100Gぼったくられるので、自力で発見した人にはとてもつらい仕打ちだったのです。リメイク版では支払いの必要がなくなり、王女が生きている状態でもぱふぱふを楽しめるようになりました。
(ハララ書房)