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『ガンダム』見分けつく? 「ザクII」のA型、C型、F型、J型、S型って何が違うの?

「ガンダム」シリーズのモビルスーツ「ザクII」、シリーズ1作目のTVアニメを観ているだけではわからないかもしれませんが、実は何種類ものバリエーション機が存在します。ぱっと見ほぼ同じ各タイプの違いとは。

バリエーション豊富な「ザク」のなかでも見分けがつきにくいこのあたり

F型、J型といった設定がなされる前のキット。「1/144 量産型ザク」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ
F型、J型といった設定がなされる前のキット。「1/144 量産型ザク」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

 アニメ『機動戦士ガンダム』で描かれた「ジオン公国軍」の代表的なモビルスーツ(MS)といえば、初戦から宇宙要塞「ア・バオア・クー」での最終決戦まで出撃した「ザクII」が挙げられるでしょう。ただ、ひと口に「ザクII」といっても、のちに設定されたものも合わせ、実にさまざまなタイプが存在します。

 TVアニメおよび劇場版の『機動戦士ガンダム』に登場したザクIIのほとんどは「F型」にあたる機体で、F型に至るまでには「A型」と「C型」の2種が存在し、C型に改良を加えたことでF型が誕生しました。また、A型はザクIIの最初期生産型であり、「ザクI」の問題点を解決するべく再設計された機体です。

 さらにA型を改良したのがC型で、核使用を禁止にした「南極条約」を結ぶ前に開発されたこともあり、核兵器の運用を見据えて装甲間に放射線を遮蔽する高密度な重合金などが使われています。条約締結後、核兵器に対する防護が必要なくなったので、その関連パーツを省いたF型が設定されました。

 このF型は元々、宇宙空間と地球上、両方での運用を可能としており、これを地上専用に最適化したのが「J型」です。F型の宇宙用装備を排除し、代わりに陸戦用装備が追加されました。「JC型」はそのJ型のマイナーチェンジで、おもにコックピット周りが変更されています。

 そして、忘れてはならないのが「シャア専用ザク」で有名な「S型」です。S型はF型の総合性能向上型として開発され、スラスター推力は30%向上しました。しかし、S型は扱いづらい面もあったので、エースパイロット向けの機体となり、シャアをはじめ「黒い三連星」や「ジョニー・ライデン」などがS型に搭乗しています。また、エースパイロットは自身のMSにパーソナルカラーの使用が許されていたので、本来の緑ではなく赤や黒、水色といったカラーリングの機体も存在するのです。

 ちなみにS型誕生の背景には、開戦を控えF型以外を生産する余裕がほとんどなかった時期に、「F型を大量生産しつつ、F型と同じ生産ラインで作れる性能向上機」という要求がありました。これに応えたのがS型というわけです。

 バリエーション豊富なザクIIを振り返ると、ジオン軍のMS開発における根幹といってもいいほどの歴史が詰まっていました。物語を噛みしめるのはもちろん、MSの細かな設定を振り返るのも「ガンダム」シリーズの醍醐味といえるでしょう。

(LUIS FIELD)

【見分けなどつくものか】こちら「ザクII」のC型とF型とJC型です(4枚)

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