仏実写版『CAT’S EYES』全8話を観てわかった「原作改変」のワケ…これプロローグだ!
原作とは異なる設定こそが「見どころ」?

「舞台がパリ」という点はさておき、キャラクター造形のように「意図的にあえて変更された原作とは異なる設定」として、物語開始時点で大きなところでは、以下の3点が挙げられるでしょう。
(1)原作の「俊夫」にあたる「カンタン」は、「瞳」にあたる「タム」とはすでに破局しており、署の同僚「グウェン」(原作の「浅谷」にあたる)と交際している。
(2)「瞳」にあたる「タム」は数年ぶりに海外から帰宅したところで、「泪」にあたる「シリア」との仲が険悪。
(3)原作で三姉妹が営んでいた喫茶店「キャッツアイ」が存在しない。
これらは、全8話の物語のなかで、それぞれ原作に沿った方向へと展開していきます。そしてそれらが、本作の見どころのひとつでもある、といえるでしょう。
たとえば(2)、物語の序盤はタムとシリアが実にギスギスしており、観ていてつらいものがあるかもしれません。ただそれは、三女アレクシアの立ち回りによって劇的な解決を見るという、大いなるカタルシスへの序曲にすぎないのです。解決への過程を描くことにより、三姉妹の関係と絆の深さを再確認するというプロセスでもあるのでしょう。
(1)については、三姉妹それぞれに恋愛方面の描写はあるものの、やはり次女「タム」と警官「カンタン」の関係は原作同様、物語の根幹をなす要素となるため、これを尊重したゆえの翻案といるでしょう。原作において「瞳」と「俊夫」の関係は終始、清いもので、当時の倫理観ではありうる範疇だったかもしれませんが(少年誌での連載ということもあるでしょう)、現代のそれには若干、そぐわないかもしれません。現代風に翻案し、ドラマの根幹となすため、つまり「ふたりの恋愛をきちんと描くため」に、このような設定になったと考えられます。
そして(3)については、「なるほどそう来たか」と思わせる展開が待ち受けていました。
全8話を観終えた時点でこれら要素を俯瞰すると、物語として三姉妹の父親に関する進展はあったものの、それ以外の部分は原作のスタート地点にようやく立ったばかり、という印象があるかもしれません。つまり、シーズンひとつを費やして、原作『キャッツ・アイ』からフランス実写ドラマ版『CAT’S EYES』へと「リビルド」した、ともいえるのではないでしょうか。
本作『CAT’S EYES』は、すでにシーズン2の制作が発表されており、実のところここからが「本番」なのかもしれません。
※「キャッツ・アイ」の「・」は、正しくはハートマーク。
※「Signe」の「e」は、正しくはアキュートアクセント付き
(C)THOMAS BRAUT/BIG BAND STORY/TF1
(マグミクス編集部)





