仏実写版『CAT’S EYES』全8話を観てわかった「原作改変」のワケ…これプロローグだ!
フランスにて制作された実写ドラマ『CAT'S EYES』は、原作とはひと味どころかだいぶ異なる部分が見られます。ところが全8話を観終えたとき、それら改変部分こそ原作を最大限に尊重した本作の見どころだったことに気づく……かもしれません。
40年経てば変わる「普通の若い女性」

おなじみ『キャッツ・アイ』(作:北条司)を原作とする、フランスにて2024年に制作された実写ドラマ『CAT’S EYES(キャッツ・アイズ)』が、Amazon Prime Videoにて配信されています(2025年4月末現在)。原作をベースとしたオリジナルストーリーからなる全8話(1話約50分から60分)で、舞台を現代のパリに移したアクション・ラブコメ作品です。
フランスでは1986年9月より、アニメ『キャッツ・アイ』のフランス語吹替版『Signe Cat’s Eyes』が放送され、その後も再放送が繰り返されるなど人気を博しました。吹替版での三姉妹の名前は、原作の「瞳」にあたる次女が「タマラ(タム)」、「泪(るい)」にあたる長女が「シリア」、「愛」にあたる三女が「アレクシア」、ファミリーネームも「シャマード」と変更されており、本作フランス版実写ドラマもこれに倣(なら)っています。
謎の火災で画廊を焼失し死亡した父親の死の真相を突き止めるため、かつて父親が所有していた美術品を盗んでいく……という物語の大筋も原作どおりです。ただ上述したように、本作はオリジナルストーリーで、設定も大きなものから細かいものまで異なる点が随所に見られます。
これについて原作者である北条司先生は、原作に縛られなくてもいいとはいえ、いくつかの守ってほしいルールはあったといい、「例えば、キャッツは人を殺さない、美術品を大切に扱う、父親と関係のある絵画以外は盗まない。そして、盗みに使う道具もちゃんと買う。彼女たちはただの泥棒ではなく、父親の真実を知ろうとする若いふつうの女性なのです」と述べています。
ひるがえって本作の「来生三姉妹」ならぬ「シャマード三姉妹」を眺めると、確かにごく普通の若い女性であり、ともするとリアルに2020年代を生きる等身大の女性の生々しさすら感じるかもしれません。そういう意味では原作の三姉妹とは少し異なるキャラクター造形ではあるものの、「現代風にアップデートされた」とも言い換えられるでしょう。
これは制作側も意図してやっているものと思われます。ごく普通の若い女性が、大胆極まりない「盗み」を仕掛ける、という点が原作のエッセンスのひとつであるはずで、よって、現代の視聴者から見て「ごく普通の若い女性たち」である必要があるからです。
※以降の記述には本作『CAT’S EYES』の軽いネタバレが含まれますのでご留意ください。





