打越鋼太郎節は健在? 『伊達鍵は眠らない – From AI:ソムニウムファイル』は脱出ゲーム要素が加わった濃厚ミステリー!
「脱出パート」ではUFOに閉じ込められたネットアイドルを操作!

黒服から逃げていた伊達は、新宿の飲み屋街「黄金(こがね)横丁」まで逃げてきたところで、彼の知り合いである女子高生ネットアイドル「左岸(さがん)イリス」が、突如現れたUFOに拉致されるところを目撃します。
「いきなりそんな展開、ある!?」と衝撃的な展開にビックリしていると、プレイヤーの視点が伊達からイリスにバトンタッチ。意識を取り戻したイリスは宇宙を航行するUFOに閉じ込められており、明美と名乗るレプティリアン(トカゲ人間)が課す脱出ゲームを突破しなければならないことになりました。「地上にいる人物をひとりだけ選んで通話してもよい」と言われたイリスは伊達に連絡し、協力してゲームに臨みます。

脱出パートは、イリスを操作して気になる箇所を調べ、手がかりやアイテムを集めていくというもの。本作は後述する「捜査パート」「ソムニウムパート」も含めてそれぞれに難度選択ができますので、苦手な方もあまり構える必要はありません。どうしてもわからないときは、いろいろな場所やモノを何度も調べてみましょう。キャラクターたちが推理を進め、ヒントをしゃべってくれるようになります。
イリスが挑む第一の脱出ゲームを無事に突破するまでサポートした伊達は、地上で彼女の行方を追うことに。イリスからの通話は一方通行で逆探知もできないもので、彼女は依然行方不明となっているのです。
鍵の視点で展開する「捜査パート」は、移動する場所を選び、さまざまな人たちに聞き込みをする古式ゆかしいアドベンチャーゲームのようなパートです。特筆すべきは、アイボゥの機能を活用して「我々の生きる現実ではありえない聞き込み」もできることです。
そのひとつである「WinkPsync(ウィンクシンク)」は、目の前の人物がぼんやりと頭の隅で考えている夢のようなものを視覚情報として得る機能で、それを知ることが的確な聞き込みにつながることもあります。

捜査を続けて重要参考人を発見できれば、Psync(シンク)装置を使って6分間だけ対象者の記憶の中にダイブできる「ソムニウムパート」が始まります。ここではアイボゥが美しい少女の姿となって、鍵の指示に従いながら対象者の深層意識を目指していきます。夢のようにあいまいで、時に支離滅裂な空間であるだけにここで得た情報そのものは法的効力を持ちませんが、取り調べなどで強力な武器になります。
脱出パートはイリス、捜査パートは伊達、ソムニウムパートはアイボゥを操作することでさまざまな角度から情報を得て、事件を解決に導くのが本作の流れとなります。3つのパートはすべて3Dで描かれているのでキャラを操作できたり、会話シーンでもカメラワークが頻繁に変わったりと、往年のアドベンチャーゲームのような「古くささ」は感じられませんでした。

今回試遊したのはChapter2までです。ひとつの疑問が解決する前に新たな謎が積み重なる序盤のストーリー構成や、シリアスな局面でもノリの軽さを忘れないキャラクターたち、突然差し込まれるパロディネタなどには、確かな「打越節」を感じられました。
序盤ではまだどう結びつくのか分からない複数の事象が中盤からクライマックスにかけて見事に絡み合い、ひとつの真相に昇華されることを思うと、続きをプレイするのが楽しみです。『伊達鍵は眠らない』はシリーズにおいてスピンオフという位置付けですので、打越さんの作品のファンはもちろん、本作で初めてシリーズに触れる方にもオススメです。
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(蚩尤)
















