『ガンダム』あなた本当に連邦機? 見た目をガラリと変えた偽装がすげぇ元「ザク」
おなじみ「ザク」はバリエーション豊富で、「ザクタンク」といった変わり種も見られます。そうした「バリエーション」の範疇とは少し異なる、いわゆる偽装機体も見られ、「ガンダム」や「ジム」になりすましていました。
どう見ても連邦機です…どうしてそうなった?

『機動戦士ガンダム』に登場しバリエーションの多さで知られるモビルスーツ(MS)「ザク」には、敵機になりすました「偽装機体」も見られます。
もちろん、戦場では敵味方の判別が生死を分けるため、機体の外見は重要な要素のはずです。見た目を敵機ソックリにするのには、やはり相応の理由がありました。
●「パーフェクト・ガンダム(サンダーボルト版)」(『機動戦士ガンダム サンダーボルト』)
マンガ『機動戦士ガンダム サンダーボルト』(原案:矢立肇、富野由悠季/作画:太田垣康男/小学館)に登場する「パーフェクト・ガンダム(サンダーボルト版)」は、「アムロ・レイ」の乗機として知られる「RX-78-2 ガンダム」とソックリです。
ただよく見ると、腰回りや脚に「ザク」のような動力パイプが見えています。というのもこの機体、「サイコ・ザクMk-II」の骨格に「フルアーマー・ガンダム(サンダーボルト版)」の外装を施したものでした。つまり「ガンダムに偽装したザク」というわけです。パイロットは「ダリル・ローレンツ」が務めます。
その目的は、地球連邦軍の宇宙要塞「ルナツー」へ敵の目を欺いて潜入することと、地上用の「サイコ・ザクMk-II」を宇宙用に換装する必要があったからです。
その後、ダリルの駆るパーフェクト・ガンダムは、ルナツーの格納庫でモビルアーマー「ブラウ・ブロ」とドッキング、その衝撃的な姿は、掲載誌「ビッグコミックスペリオール」2022年12号(小学館)の表紙を飾っています。
●「ゲム・カモフ」(『機動戦士ガンダムMS IGLOO 603』)
博物館での上映用に制作された映画『機動戦士ガンダム MS IGLOO -1年戦争秘録-』のコミカライズ版『機動戦士ガンダムMS IGLOO 603』(作:MEIMU/原作:矢立肇、富野由悠季/KADOKAWA)に登場する「ゲム・カモフ」は、「ザクII」をベースに作られた機体といわれています。「ゲム」は「ジム」を意味し、すなわちジムをカモフラージュした機体という、そのままのネーミングです。
本機が登場するのは、コミックス第1巻に収録された出渕裕さん原案のエピソード「蝙蝠(こうもり)はソロモンにはばたく」で、映像化はされていないものの、ゲームで知ったという人もいることでしょう。
見た目は地球連邦軍の量産MSジムそのもので、そのようになりすますことにより、敵機への接近や奇襲、潜入工作、後方撹乱などを目的とした機体でした。
劇中では第603技術試験隊の「エンマ・ライヒ」が操縦し、実戦で戦果を上げます。しかし皮肉なことに偽装の完成度が高すぎたため、味方の誤認による攻撃でエンマ・ライヒは戦死してしまいました。
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戦時中に「敵になりすます」というのは、現実の国際法に照らせば完全にアウトで、そのあたりは宇宙世紀でも同様と考えられます。それは卑劣というだけでなく、敵味方に大いに混乱をきたすからです。
パーフェクト・ガンダムの場合、ワンオフ機であり、高性能を求めるがゆえの換装(偽装)という理由も劇中で語られています。一方ゲム・カモフは単に敵を欺くためだけのもので、しかも少数とはいえ何機か作られていたようです。
ゲム・カモフは、戦局的に追い詰められたジオン軍の、いわば開き直りの産物であり、そしてエンマ・ライヒはその報いを受けさせられてしまった、といえるでしょう。
(マグミクス編集部)
