『Zガンダム』カミーユが健在の世界でシャアはどうなるの? 『新訳』巡る議論
『Zガンダム』の物語は、その劇場版において、TV版とは大きく異なる結末を迎えました。公開から20年、その「劇場版の続き」については、いまだ議論が聞かれます。すなわちカミーユが元気だとシャアの運命はどう変わるのでしょうか?
結末が変わると続きも…どうなっちゃうの?

『新訳Z』こと劇場版『機動戦士Zガンダム A New Translation』(2005年、2006年)は、そのTV版とは全く異なるラストシーンで、観るものに驚きを与えたといえるでしょう。
※以下、TVアニメ版および劇場版『機動戦士Zガンダム』のネタバレが含まれます。
主人公「カミーユ・ビダン」が「ファ・ユイリィ」と共に迎えたハッピーエンドは、TV版の衝撃的な結末を知る世代には「このあとどうなるの?」と思わせるものでした。
ご存じのように、TV版『機動戦士Zガンダム』では、最終決戦でカミーユが精神崩壊を起こし、その後の『機動戦士ガンダムZZ』や『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』へと物語が続いていくことになります。「シャア・アズナブル」は、カミーユに託していた「ニュータイプの希望」が潰え絶望したことも一因となって、ネオ・ジオン総帥として地球粛清という極端な手段に出ることになる……と見られるわけです。
ところが、劇場版ではカミーユが無事にグリプス戦役を生き抜いています。となると、気になるのは「シャアはその後どうするのか」という点でしょう。カミーユが元気なままだったら、『逆襲のシャア』の物語は成り立つのでしょうか。
いくつかの可能性が考えられるかと思われます。
ひとつは、シャアが地球粛清以外の道を選ぶという展開です。カミーユというニュータイプの希望が健在であれば、シャアは人類の可能性をもう少し信じてみようと考えるかもしれません。もうひとつは、カミーユがシャアの暴走を止める役割を担うという展開でしょうか。アムロにはできなかった「役まわり」が、カミーユにならこなせるかもしれません。
いずれの場合も、連邦政府の改革を内部から進めるという、より穏健な手段を取るという展開になりそうです。そうなると、ここから『逆襲のシャア』のような展開になるのは、ちょっと想像できないかもしれませんね。
ただ留意したいのは、『新訳Z』においてはTV版ほどにシャアとカミーユの関係が深くないかもしれない可能性です。ダカール演説のシーンが削除されていることもあり、シャアがカミーユに託していた期待の重さも、TV版とは異なっているかもしれません。この場合、カミーユの状態に関わらず、シャアは独自の道を歩むことも考えられるでしょう。
さらに、カミーユがシャアに共鳴し、そのネオ・ジオンへ参加する可能性も……いえ、さすがにこれはないでしょうか。
無論、「シュドー・アーシタ」たち『ZZ』組の動向も、大きく変わることでしょう。
この『新訳Z』の結末を巡る問題については、ファンのあいだでも長年、様々な意見が交わされてきました。『新訳Z』公開当時は、その続編たる『新訳ZZ』制作への期待も大いにあり、実に活発な議論が聞かれたものです。
それから20年、昨今ネット上などで広く見られるのは、『新訳Z』は独立した作品として完結しており、TV版とは別の世界線の物語として捉えるべき、といった意見になるでしょうか。
ただ、カミーユが元気なままの世界で、果たしてその後の宇宙世紀でどのような物語が紡がれるのか、長年のファンであればきっと、気になるところでしょう。
(マグミクス編集部)


