本当に「幻」になったガンプラ企画「MS-X」 企画書でわかった衝撃の商品展開とは?
『機動戦士ガンダム』の中でも詳細がいまだに判明していない「MS-X」シリーズは、商品企画も幻となったことで謎の多い部分がありますが、その企画書には思わぬ展開が記載されていました。
MS-Xが「幻」に終わったワケとは?

第1期ガンプラブームの末期、「MSV(モビルスーツバリエーション)」の後継企画としてスタートした「MS-X」は、「ペズン計画」と呼ばれる物語となる予定でした。しかし思わぬ時代の波に飲み込まれ、企画は幻となってしまいます。
ガンプラの再活性化を果たした「MSV」でしたが、従来のMS(モビルスーツ)のバリエーションという設定上、そのラインナップには限界がありました。そこで新型MSを登場させようと企画されたのがMS-Xです。
しかし、このMS-Xは完全なる新規MSかというと、少々違いました。「ガンダム記録全集」などで公開された、『機動戦士ガンダム』が打ち切りでなかった場合のストーリー原案、通称「トミノメモ」に残されたMSから生まれたものです。
そのため当時の大人のファンには「そういえば聞いたことがある」MSであり、小学生にとっては未知のMSだったといえるかもしれません。そのため、大河原邦男さんによるデザインが公開された時は、一様に喜びと驚きで迎えられました。
しかしMS-Xは、それ以上の陽の目を浴びることはなく終わります。それは『機動戦士ガンダム』の続編となるTVアニメ『機動戦士Zガンダム』の放送が決まったからでした。そちらに商品展開を集中させるため、MS-Xは木型まで製作されていたのに中止となります。
こうした経緯からMS-Xは設定どおりに「幻」となってしまいました。もっとも、その後の「ガンダム」シリーズの設定のなかには残され、現在ではそれなりの知名度を持つに至ります。
しかし、もしもMS-Xがシリーズ展開していたらどうなっていたのでしょうか。当時に作られた企画書には、その内容を知る手がかりがありました。




