『ガンダム』のMS「リック・ドムII」←なんて読む? 宇宙世紀の言語どうなってる問題
ジオン軍のモビルスーツ名に含まれる「II」は、機体によって読み方が異なるのをご存じでしょうか。この現象から見えてくるジオン公国、ひいては宇宙世紀の言語事情とは。
「II」の読みに見るジオンサイドの公用語

バンダイナムコグループの公式通販サイト「プレミアムバンダイ」にて、2025年9月26日より「ROBOT魂〈SIDE MS〉MS-09R-2 リック・ドムII ver. A.N.I.M.E. ~コロニー戦仕様~」の予約が受け付け中です(2025年9月29日現在)。
こちらはOVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』が初出の、おなじみモビルスーツ(MS)「リック・ドム」がジオン軍の「統合整備計画」によって改修された機体になります。一年戦争の末期から配備され、「ア・バオア・クー」での決戦にも少数が参戦したとか。スペースコロニー内での戦闘を想定した仕様ということで、「ドム」シリーズのなかでは珍しい緑色の機体色が特徴といえるでしょう。
ところで本機の名前のローマ数字「II」は、ご存知のように「ツヴァイ」と、ドイツ語読みをします。この「ドイツ語読み」はほかの機体にも見られ、たとえば同じく『ポケットの中の戦争』に登場したMS「ゲルググJ」は、「J」の部分を「イェーガー」と読み、これはドイツ語で「猟兵」といった意味です。同様に、OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』の「ゲルググM」の「M(マリーネ)」もドイツ語由来で、こちらは海軍や海兵といったニュアンスになります。
ところが、「ザクII」の場合は「ツー」と、英語読みです。のみならず、映画『機動戦士ガンダムNT』に登場したモビルアーマー「IIネオ・ジオング」の場合は「セカンド」と読みます。きっと、新人アナウンサー泣かせだったことでしょう。
そもそもジオン側の社会全般が、そうした英語、ドイツ語まじりの環境ということは十分に考えられます。
というのも、ジオン側の人名だけを見ても、米系、インド系、日系、欧州系、中国系等々たくさん見られ、つまりそれだけ多種多様なルーツを持つ人間の集まりであることがうかがえました。そうした社会では無論、国家として公用語が制定されてはいても、複数の言語が入り混じり広く使われることは、容易に想像がつくのではないでしょうか。
そして、有名な「ジーク・ジオン」の「ジーク」はドイツ語で「勝利」を意味する言葉であり、そうなると、やはり公用語はドイツ語ないし、その系統にある言語である可能性が高そうです。
あるいは、アニメでのセリフそのまま「日本語」が公用語、という可能性もあるかもしれません。なんでもカタカナ読みで取り入れてしまう日本語であれば、ジオン国やその残党のなかで「II」の読み方がたくさんある説明になりそう……というのは、さすがに言い過ぎでしょうか。
もっとも、この時代には「〇〇語」という概念そのものがない可能性も考えられます。全人類共通の言葉が使われていて、時折、方言的に各言語ルーツのワードが見られる、といったことかもしれませんね。
(マグミクス編集部)








