ガンダム初心者に贈る「視聴ガイド」。「宇宙世紀」作品の時系列を分かりにくくする「ワナ」とは?
宇宙世紀でも特殊な立ち位置? パラレル作品

問題なのは、「宇宙世紀」のなかでも「パラレル世界」といわれる作品群です。これらは基本的に宇宙世紀の「正史」と異なるので、混同すると設定に軋轢(あつれき)が生じます。もちろん、正史とは違った魅力にあふれた作品たちです。これらパラレル作品のほとんどが、「一年戦争」前後を舞台としています。
マンガとして発表され、後にアニメ化された『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』は、その最たるものかもしれません。開始当初は設定面の違いはあれどカバーできる範囲でしたが、物語が進むにつれて独自の展開をしました。
この『ORIGIN』の登場により、公式設定や宇宙世紀年表と異なる作品を「パラレル宇宙世紀」、または「アナザー宇宙世紀」と呼称するようになります。後追い設定で詰め込まれた宇宙世紀ガンダムの、新たな方向性を模索した結果なのでしょう。
これをうまく生かしたのが、同じくマンガからスタートしてアニメ化された『機動戦士ガンダム サンダーボルト』でした。当初は宇宙世紀設定になぞらえた作品だったのが、徐々に独自設定で作品の幅を広げたという点で、『ORIGIN』と似た展開の作品です。
逆に、宇宙世紀の設定を根底から覆した作品が『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』でした。本来の歴史を改変した物語が作品の間口を広げ、新たなファン層を獲得したのは記憶に新しいところです。
最初の『ガンダム』が放送されて半世紀に近い年月が経ちました。これからもシリーズ作品は増え続けることでしょうが、過去の制約に縛られない作品制作は、今後もガンダムシリーズ発展の一翼を担っていくことになるでしょう。
(加々美利治)



