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『ジョジョ』を知らない人が抱くイメージあるある だいたい合ってる?「ゴゴゴ…」

大ヒット作ほど勝手なイメージが一人歩きしてしまうもの。荒木飛呂彦先生の『ジョジョの奇妙な冒険』もまた例に漏れず、奇妙なイメージが先行してしまっているようです。……未読の人から拾った声より『ジョジョ』がどのように思われているのか紐解いていきましょう。

世間が持つ『ジョジョ』のイメージは…あながち間違ってはいない?

著:荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険 第1部』Kindle版第1巻(集英社)
著:荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険 第1部』Kindle版第1巻(集英社)

 荒木飛呂彦先生による原作コミックスは累計1億部を突破した、国民的“大河ドラマ”である『ジョジョの奇妙な冒険』(以下、ジョジョ)。2020年末に放送された『ジョジョ』のスピンオフドラマ『岸辺露伴は動かない』が、ギャラクシー賞テレビ部門2021年1月度月間賞するなど、連載30年を超えてなお新規ファンを増やし続けています。

 バラエティ番組でもたびたび取り上げられることから、未読の人であっても知名度自体は抜群です。とはいえ、なかには未読の人ならではの『ジョジョ』のイメージができ上がりつつあるようです。本稿ではそんな未読の人が抱きがちな、それでいて『ジョジョ』ファンも「気持ちは分からなくない」となるような、奇妙な勘違いをピックアップ。『ジョジョ』がどう思われてきたかを概観していきます。

●この承太郎って人が「ジョジョ」なんでしょう?

 のっけから『ジョジョ』未読の人にとって混乱を招きそうな疑問です。改めて説明するまでもないことですが『ジョジョ』は章ごとに主人公が変わり、各章ごとの主人公のあだ名が「ジョジョ」、という設定をシリーズ全体で踏襲しています。したがって第3部の主人公である空条承太郎も当然、「ジョジョ」であり、ジョナサンもジョセフも仗助もジョルノも徐倫もジョニィも定助も「ジョジョ」なのです。

●「ゴゴゴゴゴゴ……」は口で言ってる?

 言っていません。言っていたら大変です。何かただならぬ気配を感じた際、緊迫した心理状態を可視化するために頻繁に用いられるのがこの表現。『ジョジョ』のワンシーンを再現する際に「ゴゴゴ……」「ドドド……」と口頭で表現する人が多いので、このようなイメージが広がったのでしょう。それだけ『ジョジョ』を象徴するアイコンとして機能しているのです。またアニメではSEとともに「ゴゴゴ……」という文字がそのまま背景に流れるというマンガ表現とアニメ表現の融合が試みられています。

●スタンドに“変身”して戦っている?

 これも『ジョジョ』ファンからすれば虚を突かれたような気分になる声ですが、「そんなはずないだろ!」と思いつつ第3部以降のコミックスの表紙を改めて眺めてみればキャラクターとそのスタンドたちが同じポーズで重なり合っていたりします。スタンドは精神を具現化した能力という知識がなければ、スタンド=変身後の姿と思ってしまうのも分かります。

●“ジョジョ立ち”は必殺技の時のポーズ?

 擬音と同様にクローズアップされることが多い『ジョジョ』独特のポージング、通称“ジョジョ立ち”。結論から言えばいつだって“ジョジョ立ち”です。彼らは食事中であろうと、世間話中であろうと、祖父を見送るときであろうと、いつだって人体の可動域の限界に挑戦しては私たちを魅了してくれるのです。

●なんかすぐ断ってくるんでしょう?

 おそらくは第4部、岸辺露伴の名セリフ「だが断る」の汎用性の高さがゆえに流布してしまったイメージと思われますが、まったく露伴への風評被害も良いところです。「だが断る」に関してはその正しい使い方がSNSでもよく“取り締られ”ていますが、単なる拒否ではなく、絶対的な強者に対する拒否を示す言葉であり、本来はとっても気高いセリフなのです。とはいえ露伴がただの駄々っ子と思われてもしょうがないシーンはたくさん存在します。

●『ストII』のキャラいるよね?

 これは第2部のシュトロハイム、そして第3部のポルナレフと『ストリートファイターII』(以下、ストII)のガイルとの類似をさしてのことでしょう。厳密に言えばあながち間違いとは言い切れません。というのも『ストII』のガイルのキャラクターデザインはポルナレフを参考にしたという経緯があるからです。さらに名前もポルナレフの宿敵である「J・ガイル」と混合して名付けられたとのこと。『ジョジョ』は『ストII』に影響を与えていたのです。

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 ここまで紹介できたのはほんの一部ではありますが、ファンからすればむしろ『ジョジョ』を冷静(?)な視点で楽しむきっかけを得ることができたのではないでしょうか。まだ『ジョジョ』を知らなかった頃の自分の声を聞いているような、新しいパンツをはいたばかりの元日の朝のような、新鮮で爽やかな気持ちで『ジョジョ』を楽しむことができそうです。

(片野)

【画像】存在感の強さが一線を画する『ジョジョ』ネクタイ(6枚)

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