【漫画】できそこないと思われていた魔女の能力が実は…伏線回収が鮮やかなストーリー

優等生の魔女との友情から熱いクライマックスへ

　ライラは自他ともに認める“できそこない”の魔女。どの魔女でも習得できる“共用魔術”すらまともに使えません。憧れの白魔女になるには、100個の“共用魔術”と自分だけが使える“専用魔術”の習得が必要。ライラと対照的に優秀な友人リナリアは、ひょんなことからライラの内に秘められた“専用魔術”に気付いて……。

　りりの助さん（@ririnosuke102）が、Twitterで『魔女見習いの漫画』を公開しました。読者からは「冒頭から結末まで全部エモくて好き」「リズム良い起承転結に胸が打たれます」「好きすぎて何度も読み返しちゃう」など、高く評価されています。

　作者のりりの助さんに、お話を聞きました。

ーーりりの助さんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。

　マンガは読むだけに限ると思っていたのですが、自分の人生を一変するような作品に出会い、私もそんなマンガを作りたいと思ったので描き始めました。マンガを描いていると、完成するまでは死ねないと思えるのでとても健康に良いです。

ーー本作では“共用魔術”と“専用魔術”という設定が大きな鍵となっています。この設定はどのように生まれましたか？

　できそこないと優等生の話を描きたかったので、ふたりの差をなるべく広げたくて“共用魔術”も設定しました。専用魔術ができる子とできない子よりも、未だに“共用魔術”すらできない子と、とっくの昔に“共用魔術”も“専用魔術”もできる子のふたりなら、分かりやすく差があると思いました。

ーー伏線としての設定がストーリーへと巧みに生かされているところも魅力です。まず最初に設定を定め、その後に具体的なストーリーを決めていったのでしょうか？　構想・制作のプロセスを教えて下さい。

　流れに身を任せます。話で最も盛り上がるところ……描きたい場面から考えそこに至るまでを設定したと思います。伏線は描きながら思い付きました。

　実は、この作品には元になったボツの読み切りがあります。死霊術で蘇らせた相棒と共闘する話の下描きを、その場のテンションで100ページほど描きましたが、長いし清書が面倒なのでボツにしました。

　結局、その話の要所となる描きたいところを残して、短くまとめたのがこの話です。すごくなりゆき任せなんです。

ーーりりの助さんがもし「専用魔術」を習得できるとしたら、どのような能力が欲しいですか？

　マンガを描いていると時間が失われるので、時間停止能力が欲しいです。時間操術とでも言ったところでしょうか。時間を停止できる能力があればゆとりを持ってマンガを描けるし、ホームレスにならない人生を辿る確率が高いですからね。

ーー今回の作品に対する読者からの反応で、特に印象に残ったものがあれば教えて下さい。

　感想は全部好きです。まだ自信が持てない未発達な自分なので、背中を押される言葉をもらうと心が温かくなります。「感動しました」と言って下さる人なんかは、感受性がすごく豊かで優しい人だと思うので幸せに長生きしてほしい。あわよくば友達になりたいと思いました。

ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか？

　これからもTwitterに短編を公開して、私のマンガを好きになってくれる人を募ろうと思います。相棒モノと気の強い女の子が大好きです。

　今のところ、私のマンガはお金を取れるレベルではありませんが、受け入れてくれるとても気の良い人たちに、より時間と気持ちを注いだマンガを届けたいので、以前拾ってくださったとても気の良い編集さんと商業デビューを目指して頑張っています。トレーナーと頑張るポケモンの気持ちが分かりました。

　とにかく、漫画家になってもフリーターになってもホームレスになっても、Twitterにマンガを載せていきたいです。

（マグミクス編集部）