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『鬼滅の刃』意外な人間関係6選 出会い、別れ、裏切り…キャラ愛が深まるエピソード

『鬼滅の刃』では、胸を締め付けるような切ない別れがいくつものシーンで描かれてきました。一方で、人の人生を決定づけるような出会いを果たした人物、意外な絆で結ばれた人間関係もあります。それを知れば知るほど、登場人物が愛おしく感じられます。

救われた人、裏切った人、心の支えとなった人

(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

『鬼滅の刃』の登場人物は、多くが鬼によって大切な人の命を奪われ、怒りや決意を持って刀を手に取り戦います。その過程で、登場人物たちは命を救われたり、悲しい別れを経験したり、仲よく交流を重ねたりという営みを繰り返しました。本編や外伝で語られた人間関係を、まとめて紹介します。

※この記事では、まだアニメ化されていないシーンの記載があります。原作マンガを未読の方はご注意ください。

●甘露寺蜜璃と煉獄杏寿郎

 劇場版アニメ『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』のキーパーソンだった炎柱・煉獄杏寿郎。彼が柱となる直前の物語を描いた『鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 外伝』では、同じく柱となる前の隊士であり、後の恋柱・甘露寺蜜璃と共闘している様が描かれています。

 本編や『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録』では、恋の呼吸が炎の呼吸から派生したものであること、そして甘露寺が煉獄の弟子(継子)であることが明かされました。『鬼滅の刃 外伝』では、ふたりが柱になる前の頃、一緒に鍛練をしていた様子が描かれています。炭治郎たちとは違う師弟関係のあり方が、とても微笑ましく感じられるエピソードです。

●甘露寺蜜璃と竈門禰豆子

 甘露寺はその愛くるしい性格で、登場人物の多くと仲のいい関係を築いています。その天真爛漫さは、いまだに鬼として警戒対象だった炭治郎の妹・禰豆子にも向けられていました。『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐』では、禰豆子が鬼で精神が幼かった頃、ことさら甘露寺と仲がよく、甘えていたことが書かれています。鬼殺隊にとっては、つかの間の平和な様子とも言えるでしょう。想像するだけで、気持ちがほかほかしてきますね。

●伊黒小芭内と煉獄槇寿郎

 そんな甘露寺に恋心を抱いていた、蛇柱・伊黒小芭内。彼は鬼が支配するいびつな一族で育ち、殺されかけたところを鬼殺隊に助けられました。本編22巻の回想シーンを見ると、彼を助けた隊士の髪型は、炎柱・煉獄と酷似しています。

 年齢を考えると、彼の正体は煉獄の父・槇寿郎(しんじゅろう)だったと考えられます。基本的に伊黒は、作中仲むつまじい姿を見せていたのは甘露寺のみでした。しかし、『無限列車編』にて煉獄が命を落とした報せを聞いた彼のひと言は、「俺は信じない」。彼に対しては、特別な感情を抱いていたのかもしれません。

●竈門禰豆子と嘴平伊之助

『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐』で明かされた禰豆子の裏話として、面白いのが伊之助です。伊之助は普段の素行を咎めず、また学がないことをバカにしない禰豆子のことを、母親のように慕っていました。彼女がアオイたちのところへ遊びに行くときも、必ずついていったのだとか。

 伊之助はのちに、アオイと結ばれて家庭を持ちます。禰豆子が彼にとって、恋のキューピッドになっていたのですね。

●胡蝶姉妹と悲鳴嶼行冥

 家族を鬼に殺され、鬼殺隊へ入隊した胡蝶しのぶと胡蝶カナエ。彼女らの外伝とも言える小説『鬼滅の刃 片羽の蝶』では、岩柱・悲鳴嶼がふたりを鬼から救った描写があります。悲鳴嶼自身は、寺で一緒に暮らした子供たちを守るため、鬼と戦ったものの、子殺しの汚名を着せられます。

 彼は死罪を前に、鬼殺隊の長・産屋敷に救われました。そして彼は、救われた命でより多くの者たちを助けるわけです。『鬼滅の刃』のドラマを彩る「命の連鎖」は、こうして紡がれていると感じさせる関係性です。

●悲鳴嶼行冥と獪岳

 悲鳴嶼の寺に鬼を招いた少年、それが我妻善逸の兄弟子・獪岳であるということが、本編第17巻で明かされています。金を盗んだ彼は、そのことを咎められ寺を追い出されていたのです。寺を追い出され、鬼から命からがら逃げ出した彼は、奇しくも育手・桑島慈悟郎(くわじまじごろう)へと行き着いたのでした。

 しかし、彼はその後鬼となり、善逸に討たれます。かつて、自分の寺にいた少年が、鬼殺隊士となったこと。そこで鬼となってしまったこと。悲鳴嶼は、そのことを知っていたのでしょうか? そう考えると、少し胸がきゅっと締め付けられてしまいますね。

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 壮絶な鬼との戦闘の裏にある、鬼殺隊士たちの意外な人間関係。それを知ってから本編を読むと、その活躍や悲しい結末への感情移入が、また一段と深くなります。アニメ2期『遊郭編』が始まる前に、もういちど外伝やファンブックで彼らの物語を復習しておきませんか?

(サトートモロー)