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苦難の道を歩んだ「アッガイ」が進む、ゆるキャラへの道。MSだった面影はなくなり…?

まさかの「クマ化」で、可愛いゆるキャラの地位を固める

『ガンダムビルドファイターズトライ』では、アッガイがクマ化したうえに親子構成となった「ベアッガイF」が登場。画像は「1/144 HGBF ベアッガイF(ファミリー) 」(BANDAI SPIRITS)
『ガンダムビルドファイターズトライ』では、アッガイがクマ化したうえに親子構成となった「ベアッガイF」が登場。画像は「1/144 HGBF ベアッガイF(ファミリー) 」(BANDAI SPIRITS)

 アッガイを最初にクローズアップしたのは誰でしょう? それは『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザインを務めた安彦良和さんでした。

 劇場版『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』のパンフレット裏表紙で、体育座りをするアッガイの上を跳び越すカツ、レツ、キッカの3人組のイラストを安彦さんが描いています。劇中でも3人組のコミカルなシーンとして描かれていましたが、それをはじめてアッガイを含めて描いたのは安彦さんでした。この影響でアッガイといえば「体育座り」という認識が広がります。

 また意外と知られていませんが、アッガイの1/144ガンプラ側面の説明文に「モビルスーツの中では最も可愛い。」という表記があり、メーカー側からもアッガイに対して最初から普通のMSとは違ったアプローチがされていました。アッガイの1/144ガンプラの発売日が1981年8月ですから、安彦さんの絵とほぼ同じ時期の話です。

 アッガイの魅力は他のMSと違ったアプローチで輝く……そのことにさらなる一歩を踏み込んだのが、OVA『模型戦士ガンプラビルダーズ ビギニングG』(2010年)に登場した「GPB-04B ベアッガイ」です。

 アッガイの頭部をクマにしたことで、一気にぬいぐるみのクマを思わせるデザインになりました。それまでにもユーザー側でゆるキャラのようにする改造例はいくつかありましたが、メーカー側が主導することで「アッガイ=可愛い」というイメージが加速します。

 その結果、『ガンダムビルドファイターズ』(2013年)で「KUMA-03 ベアッガイIII(さん)」が生まれました。ベアッガイIIIでは頭部は完全にクマとなり、モノアイがなくなることで、もはやMSとは思えない可愛らしいデザインとなっています。

 このベアッガイIIIで人気は一気に爆発、続編である『ガンダムビルドファイターズトライ』(2014年)では「KUMA-F ベアッガイF(ファミリー)」が登場しました。

 ベアッガイFは親機「ママッガイ」と子機「プチッガイ」の2機構成。後にベアッガイ一家の長「パパッガイ」も加わり、ゆるキャラ化からファミリー化という、より大きな方角に舵を切りました。

 このベアッガイ人気は予想もしない方向にも暴走します。『ガンダムビルドファイターズ』EDでキャラがMSのコスプレのような姿を見せるのですが、そのなかのひとつ「チナッガイ」がガンプラとして商品化、そして配信アニメ『ガンダムビルドファイターズ バトローグ』(2017年)の第3話にも登場しました。

 さらにこの物語は、ベアッガイの余剰パーツであるアッガイの頭部パーツが怨念になるという、自虐的なパロディになっています。

 そして、いつの時代も成功者に続こうという風潮はあるもの。アッガイと同じ水陸両用MSのAMX-109 カプルをペンギン化した「PEN-01M モモカプル」というMSも登場しています。

 以上のように、本来の方向性とは違う形でアッガイは脚光を浴びました。今後も「可愛い」で道を切り開くであろうアッガイの行方を見守りたいと思います。

(加々美利治)

【画像】アッガイの貴重な戦闘シーンが見られる、ガンダム作品たち(5枚)

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