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苦難の道を歩んだ「アッガイ」が進む、ゆるキャラへの道。MSだった面影はなくなり…?

『機動戦士ガンダム』作品中では目立たないMSだったアッガイ。しかし、その秘められた魅力はさまざまな出来事を通じて見事に開花します。現在では女の子からも可愛いと言われるようになった、アッガイの魅力を探ります。

弱さゆえに「ネタ」としてイジられる存在

「アッガイ」の初登場は、連邦の拠点ジャブローへの潜入作戦だった。画像は「ガンプラ HGUC 1/144 MSM-04 アッガイ」(BANDAI SPIRITS)
「アッガイ」の初登場は、連邦の拠点ジャブローへの潜入作戦だった。画像は「ガンプラ HGUC 1/144 MSM-04 アッガイ」(BANDAI SPIRITS)

「MSM-04 アッガイ」は『機動戦士ガンダム』(1979年)に登場した水陸両用MS(モビルスーツ)です。初登場は第30話。地球連邦軍本部「ジャブロー」での破壊工作のため、シャア・アズナブルに率いられて4機のアッガイが登場しました。

 後に設定された特徴としては、「MS-06 ザクII」からジェネレーターをはじめとして多くのパーツを流用され、水陸両用MSとしては生産性・運用コストの面で優れている。複座型であるため、水陸両用MSの訓練機としても使用された。ステルス性能が高いことから偵察任務に使われることが多い……とされています。

 武装は頭部に搭載された4門のバルカン砲。腕部はユニット化されており、アイアン・ネイル、6連装ロケットランチャー、メガ粒子砲とバルカン砲などが状況によって変更可能とされています。

 劇中では初登場にも関わらずほとんど見せ場もなく、アムロ・レイのガンダムに4機すべて瞬時に撃墜されていました。あまりに見せ場のなかったことから、MSとしての人気は当時あまり高くなく、好きだという人は少数派だったという印象です。

 放送終了後、大ブームとなったガンプラでの発売も遅く、発売直後は他の商品のように飛ぶように売れていましたが、供給が落ち着くと不人気なガンプラの仲間入りをしていました。

 また、アッガイを生み出す過程で作られたボツ設定となったMSたち、通称アッグシリーズがTVシリーズで登場したMSをすべてガンプラとして発売された後、あらためてデザインされて商品化しています。

 アッガイが他の作品に登場したこともありました。

『機動戦士ガンダムZZ』(1986年)では、ハマーン・カーンが搭乗し、ジュドー・アーシタが乗ったMSM-07 ズゴックと戦っています。OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』(1996~99年)では、カレン・ジョシュワが搭乗するRX-79[G] 陸戦型ガンダムの頭部を破壊するという活躍を見せました。

 とはいえ、人気があって登場したというよりは、「ネタ」にされていた感じだったと思います。

 アニメではありませんが、ことぶきつかさ先生の描いたマンガ『いけ! いけ! ぼくらのVガンダム!!』では、ガンダムで戦う「ガンダムファイト」でなく、アッガイ同士で戦う「アッガイファイト」というパロディが掲載されていました。

 こういった風潮は後にゲームなどにも広がり、デザインをコミカルにとらえた動きなど、他のMSとは違ったアプローチで注目を集めはじめます。

 兵器であるはずのMSというよりも、ゆるキャラに近い可愛らしいというイメージが、次第にアッガイのセールスポイントになっていきました。

【画像】アッガイの貴重な戦闘シーンが見られる、ガンダム作品たち(5枚)

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