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「なぜ死んだ!?」マンガ・読者の賛否が分かれるガッカリ展開

マンガを読んでいて、なんだか腑に落ちない展開を経験した人も多いことでしょう。この記事では、そのなかでも多くの読者に「ガッカリ」と評された展開を振り返ります。大人気作『ONE PIECE』のあのキャラはどうすべきだったのか……。

エースは逃げるor逃げないで論争に

トップクラスの人気を誇るエース 著:尾田栄一郎『ONE PIECE』第18巻(集英社)
トップクラスの人気を誇るエース 著:尾田栄一郎『ONE PIECE』第18巻(集英社)

 有名マンガには名シーンが数多く登場しますが、なかには一部の読者に不評なものも存在します。この記事では、ファンの賛否が分かれたシーンを振り返ります。

※本記事では『BLEACH』『ONE PIECE』『アイアムアヒーロー』のネタバレを含みます。ご注意下さい。

 例えば、「週刊少年ジャンプ」を代表する人気作のひとつ『BLEACH』には魅力的なキャラクターが多数登場しますが、一部読者から「ただの無能」「究極のかませ犬」「いいところなし」「もうよい」など、散々ないじられ方をしているのが山本元柳斎重國(やまもとげんりゅうさいしげくに)です。護廷十三隊という組織のトップとして君臨する推定2000歳以上の老人で、いわゆるバトルマンガにおける“最強のおじいさんキャラ”として登場します。そんな人物が“無能”と問題視されているのは、作中で何度か失態を繰り返していることに由来しています。致命的なのは、壮大な勘違いから退場(死亡)することです。敵が自分の奥義技を“奪う”ことができると知りながら発動。この時点ですでに「無能」な評価が下されていますが、さらに「自分のは奪い取ることはできない」という裏取りなしの完全思い込み持論を展開……。案の定、敵に奪われた上に、成す術もなく瞬殺されるという事態になってしまいます。

 それまでの“最強キャラ”としての持ち上げ方もすごかっただけに、このあまりの呆気なさに落胆した読者が多かったようです。一方、「作者に批判が集まるのではなく、キャラクターがいじられている」という声もあり、改めて原作者の久保帯人先生のキャラメイクを賞賛する人もいました。

 同じく「ジャンプ」から『ONE PIECE』にも、賛否分かれる展開があります。主人公ルフィの兄であるエースの死についてはさまざまな意見が交わされています。登場回数はそれほど多くありませんが、家族や仲間思いな性格で、人気はトップクラスだったエースが死ぬ……『ONE PIECE』のなかでも感動必須の名シーンに数えられる展開ですが、「あれ? エース、自分勝手すぎない?」と感じた人もいるようです。

 単行本58~59巻では海軍本部での処刑が決定したエースの救出に成功し、脱出を図るルフィたち。しかし海軍のひとり「赤犬」の挑発にエースが乗ってしまったことでバトルに発展します。赤犬の攻撃からルフィをかばう形で、胸を貫かれエースは死亡。これには一部読者から「大勢の仲間の命を失った上に、挑発されただけって……」「仲間の行動が全てパー」「おとなしく逃げるべきだった」などの意見も。しかし挑発されただけと言っても、父のように慕っていた白ひげを「敗北者」と罵られたことに黙っていられないエースの性格こそ、エースらしい行動であり、彼の人気の要因ではないでしょうか。

 最終巻の内容に賛否が分かれた作品もあります。2009年から「ビッグコミックスピリッツ」で連載が始まった『アイアムアヒーロー』は、2016年に大泉洋さん主演で実写映画化もされた人気作です。35歳の売れない漫画家・鈴木英雄が“ZQN(ゾキュン)”と呼ばれるゾンビが徘徊する世界を生き延びていくパニックホラー。平凡な日常が徐々に崩れていく様子を描き、第1巻では衝撃のラストを飾り注目を浴びた作品でした。

 単行本は2017年に22巻を発売し最終回を迎えましたが、多くの謎を残したままの完結には“ゾンビドラマ”として捉えていた読者には賛否両論でした。そもそもZQNとはなんだったのかなど根本は謎のまま、主人公の鈴木英雄は孤独なサバイバル生活を続けるという最後は波紋を呼びました。しかし、一方でリアリズムを得意とした花沢健吾作品としては自然な終わり方だったと評価する人もいます。

 一部の読者には不本意な展開だったとしても、誰よりも作品を理解している作者がベストと判断した道筋です。誰もが納得する内容では「つまらない」とも言えます。予測不能な展開は、読者が読み進める楽しみも増えるのではないでしょうか。

(椎名治仁)

【画像】続きを楽しみにしていた読者が「ガッカリ」したエピソードを収録

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