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伝説の声優・富山敬の偉業 「ジャンプ」アニメ最初の主人公役

仕事に対してストイックだった声優界きっての人格者

『ちびまる子ちゃん』さくら友蔵役 画像は「ちびまる子ちゃんセレクション 『まる子、初夢を見たい』の巻」(ポニーキャニオン)
『ちびまる子ちゃん』さくら友蔵役 画像は「ちびまる子ちゃんセレクション 『まる子、初夢を見たい』の巻」(ポニーキャニオン)

 アニメブーム、声優ブームが起こったことで富山さんへの注目度は高まり、それまで以上の代表作を生み出していきます。

『ガンバの冒険』(1975年)のガクシャ、『UFOロボ グレンダイザー』(1875年)のデューク・フリード/宇門大介、『キャンディ・キャンディ』(1976~1979年)のテリィことテリュース・G・グランチェスター、『アローエンブレム グランプリの鷹』(1977年)の轟鷹也、『アニメーション紀行 マルコ・ポーロの冒険』(1979年)のマルコ・ポーロなど、まだまだありますがご紹介しきれません。

 特に『タイムボカン』 (1975~1976年)のナレーターをはじめとするおだてブタなどの役で8年間のシリーズ皆勤賞は三悪(3人組の悪役)と並ぶ偉業です。さらに唯一、ナレーターではなく主演だった『逆転イッパツマン』(1982年)の豪速九/イッパツマンでは、安定のヒーロー演技を見せてくれました。

 主人公だけでなく、渋いサブキャラ、おちゃらけたギャグキャラ、時には冷徹な悪役など、歳を重ねるごとに円熟味を増した演技を見せるようになった富山さん。そんな富山さんの遺作となったのが、『ちびまる子ちゃん』(1990年~)のおじいちゃんことさくら友蔵です。

 今回の執筆にあたり、あらためて富山さんのことをいろいろと調べたのですが、声優界きっての人格者で人当たりも良く、後輩の面倒見もよかったという情報がいくつもありました。そんな温和な面があっても仕事には真摯に向き合っており、体調をくずしても自分からは絶対に弱音を吐かなかったと言われています。

 実は初の主演作『佐武と市捕物控』は病気で途中降板、『タイガーマスク』でも一時期降板していた時期がありました。そんなことがあったからか分かりませんが、『ちびまる子ちゃん』では体調が悪くても仕事を優先したばかりに病気の進行をとめられなかったとのこと。享年56歳。まだまだご活躍できたであろう年齢です。

 その没後、OVA『銀河英雄伝説』(1988~1997年)で富山さんが演じたヤン・ウェンリーはあえて代役は立てず、ナレーションやモノローグでその後の物語が製作されました。

 そして、2007年から始まった「声優アワード」では、それまでの功績をたたえて第1回特別功労賞を授与されます。さらに第2回から声優アワードの一部門として、富山さんの名を冠した「富山敬賞」が設立され、「その年に声優という職業を最も世の中に浸透させた功労者」に対して贈られることになりました。

 いまだに富山さんが生前に演じてきたキャラを聞くことが多々あり、そのたびに活躍していた頃を思い出すことがあります。この先、リアルタイムでの活躍を覚えている人もやがていなくなるでしょう。しかし、後の世代にも語り継いでいきたい伝説の声優のひとりだと筆者は思います。

(加々美利治)

【画像】アニメファンなら「知ってる!」 声優・富山敬さんが演じたキャラクターたち(5枚)

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