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伝説の声優・富山敬の偉業 「ジャンプ」アニメ最初の主人公役

1995年9月25日、誰からも惜しまれて亡くなった声優の富山敬さん。その声は世代だった日本人なら誰もが聞いたことがあったと思います。今なお語り継がれるその軌跡を改めて振り返ってみましょう。

さまざまなタイプの主人公を演じてきた実力派声優

『宇宙戦艦ヤマト』古代進役 画像は『EMOTION the Best 宇宙戦艦ヤマト 劇場版』(バンダイビジュアル)
『宇宙戦艦ヤマト』古代進役 画像は『EMOTION the Best 宇宙戦艦ヤマト 劇場版』(バンダイビジュアル)

 本日 9月25日は声優の富山敬さんがお亡くなりになられた日です。1995年、今から26年前のことでした。

 富山さんが亡くなってからかなりの月日が経ち、若い世代のファンの方々のなかにはご存じない人もいると思いますが、第一次アニメブーム、声優ブームでは中心にいたと言っても過言ではない声優のひとりです。その数々の功績について振り返ってみましょう。

 富山さんが声優を始めた1960年代頃は、まだ声優は俳優の副業と認識されていた時代でした。アニメの本数も少なく、主に洋画の吹き替えの方が主流だった時代です。もっとも古い出演アニメ作品の『鉄人28号(第一作)』(1963~1965年)では、富山さんは毎回違ったゲストキャラを演じるレギュラーポジションでした。

 そんな富山さんの初アニメ主演作品が『佐武と市捕物控』(1968年)の佐武です。当時としては異色の大人向けに製作されたアニメ作品で、放送時間も当初21時からとなっていました。

 その後、「週刊少年ジャンプ」原作マンガとしては初のアニメ作品『男一匹ガキ大将』(1969年)では主人公の戸川万吉を演じます。つまり、「ジャンプ」アニメ最初の主人公を演じたのは富山さんでした。

 そして同年に、富山さんの代表作となる『タイガーマスク』(1969~1971年)の伊達直人ことタイガーマスクを演じます。筆者も最初に富山さんの声を意識したのはこの作品でした。強く雄々しいタイガーだけでなく、悩み苦しむ伊達直人の演技は心打たれるものがあり、喜怒哀楽すべての感情を見る人の心に訴えかけるように演じていたと思います。

 こうして富山さんは主演作やレギュラーなど、多くの代表作を生み出していきました。『山ねずみロッキーチャック』(1973年)ではどこか抜けてるけど憎めないきつねのレッド役を、『侍ジャイアンツ』(1973年)の番場蛮では気の短い熱血漢の主人公と、さまざまなタイプの役を演じています。そして、日本にアニメブームを巻き起こした一大ヒット作『宇宙戦艦ヤマト』(1974年)では、主人公の古代進を演じることになりました。

 放送時は裏番組との視聴率争いに惨敗した『ヤマト』でしたが、劇場版の大ヒットで一躍ブームを巻き起こし、アニメという名前の知名度を上げ、アニメ雑誌という新しいジャンルの書籍を生み出します。そして、それまで裏方に過ぎなかった「声優」という職業をクローズアップさせる要因となり、『ヤマト』の主人公だった富山さんはアニメファンなら誰もが名前を知るトップ声優となりました。

 この頃、筆者がアニメ以外で富山さんの演技の巧みさを知ったのは『ママとあそぼう!ピンポンパン』(1966~1982年)という幼児番組のマスコットキャラのブチャ猫です。特に番組の1コーナーだった紙芝居『刑事ジャガー』は、主人公のジャガーから犯人役、女性に子供などすべてのキャラをブチャ猫が語るという形で富山さんが演じており、その演技の巧みさに今でも思い出せるほどのインパクトがありました。

【画像】アニメファンなら「知ってる!」 声優・富山敬さんが演じたキャラクターたち(5枚)

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